シニアのための情報新聞「フロンティアエイジ」
朝日新聞朝刊とともにお届けします。 フロンティアエイジ
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演芸めいげん 上田 文世
 
 ヒトに花を持たせまひょ  
 
   5月に起きたJR宝塚線の大惨事の背景として、列車を早く走らせるための無理なダイヤ編成が指摘されている。
 3月に亡くなった桂文枝さんの本題に入る前のマクラに、こんなのがある。「昔は市電がえらそうな顔して走ってた。そこへ自動車、飛行機が出てきた。市電が『わしは面目ない。穴があったら入りたい』。それで地下鉄が出来た」。「より速く」は、乗り物の宿命のようだ。新幹線も東京―新大阪間は最初、3時間10分だった。それが3時間になり、今では2時間40分で走る。

 落語『いらち俥(ぐるま)』は、地下に潜る前の市電と、人力車が共存していたころの噺だ。「梅田の駅まで急いでんか」と、男が人力車に乗る。ところが車引きは勢いよく走ってくれない。若者の引く車はもちろん、年寄りの車にも追い抜かれる。客の苦情を言うたびに「若いもんに花を持たせまひょ」「年寄りに花を持たせまひょ」。客がたまりかねて乗り換えると、これが神風人力車=Bでこぼこ道で舌を噛み切りそうになるし、市電と衝突しそうになる。
 何かでこんな記述を読んだ。雪が積もった都心の公園。職場に向かう人の足跡が真っ直ぐについている。動物学者によると、雪国で見る動物の足跡は必ず曲がっており、真っ直ぐな足跡を残すのは捕食者に追われた時だけだという。
 JRの快速は宝塚―大阪間を、競合する私鉄の阪急電車より、数分早く走っていた。JRだけではない。すべての乗り物が少しでも早く目的地に着くことをめざしている。そして私たちの行動も、まるで何かに追われているかのように真っ直ぐに、効率のよい生活ばかりを追っているように思える。
 5分や10分、目的地に着くのが遅れてもいいじゃないですか。「他人に花を持たせまひょ」という『いらち俥』のセリフが、笑いを誘うためのギャグではなく、真実味を帯びた言葉として今、私たちの心に迫ってくる。 (演芸ライター
 
 
旬を先取り 新スポーツ ペタンク
 
 
的球めぐり駆け引き 「パリ五輪」へ選手で行こう
 
  サッカーは「Jリーグ」、バレーボールは「Vリーグ」、バスケットボールは「Sリーグ」、女子サッカーは「Lリーグ」−−では「Pリーグ」は、どんなスポーツでしょう?
 正解は「ペタンク」。フランスの国民的スポーツで、目標球(ピュット)に向けて金属製のボールを投げ合い、相手よりも近づけることを競う。道具を使うスポーツでは最も単純といわれながらゲーム性に富み、車いすの人でも楽しめる。

 コートは幅4メートル、長さ15メートルあればОK。小石や砂利があれば、かえって面白さが増す。ボールは直径7・5センチ〜8センチで、中空だが重さ660〜800グラム。ピュットは小ぶりで直径3センチ。競技方法はシングルス、ダブルス、トリプルスがあり、主要大会は3人対3人(ボールは1人2個)で争う。
ペタンク

 ピュットに手の甲の側を向けて投げねばならないため、腕を伸ばし前後に振って勢いをつける。先攻、後攻が1球ずつ投げた後、ピュットから遠いチームが次の投球をし、以後も常に遠いボールのチームから投げる。全員が投げ終わると、相手の最も近い球より内側に何球残ったかで得点を算出。13点先取で勝ちとなる。

 相手のボールに当てて遠ざけたり、自チームのボールを軽く押して近づける。さらにはピュットに当てて、自チームに有利な位置へ移動させるなど、戦略面のかけひきが面白い。お年寄りや子どもでも楽しめるためのいろんなルールもある。

 NPO法人・日本ペタンクリーグ初代理事長の清水三雄さん(64)=京都市=は、異業種交流会「コスモクラブ」会長で、ペタンクとの出会いは91年に渡仏した会員仲間のみやげ話だった。「野暮ったそうな遊びと思っていた先入観が、フランスの国際大会のビデオを見て吹っ飛んだ。プレーヤーの緊張感がひしひしと伝わり、観衆の多さや熱気に魅了された」

 さっそく自宅の庭のゴルフ練習用スペースをペタンクコートに改修して猛練習。その年、京都府大会に初出場して優勝。97年には娘夫婦とチームを組んでジャパンオープンに優勝し、フランスでの世界大会に日本代表として出場。3500チーム、1万人もの選手が集う中で、「夢の1勝」はかなえられなかったものの情熱はさらに高まった。

 同じ京都市で酒店を営む奥村洋史さん(47)はペタンク一家。スイスの耐久大会に出場し、24チーム総当りのすごいゲームを体験した。高3の長男と中3の次男は第6回日本ジュニア大会トリプルスで準優勝。また「芦屋市に住むフランス人から手ほどきしてもらった」という木村くみ子さん(50)は、5月の長野大会で清水さんと組んだダブルス優勝した。 

 毎週火曜日、午後6時から練習している。「入会時も入会後も、費用は一切かかりません。今から始めてもアジア、世界大会どころか、12年パリ五輪が決まれば正式種目は必至だから、オリンピック選手への道だって」と清水さん。夢はでっかいのだ。問い合わせはTEL075・344・0034へ。
 
 
ニューヒーロー続々 交流戦に続き球宴も注目
 
   プロ野球の「セ・パ交流試合」は大成功だった。好試合が続き、個性豊かなニューヒローが誕生。中でもとりわけパの近畿出身選手の活躍が目ざましかった。
  「おかわり」コールに応えてホームラン12本を量産した西武・中村三塁手は、大阪桐蔭高時代に83本塁打を放ったパワーを4年目で開花させた。中村の1年後輩だったロッテ・西岡はスイッチヒッターで俊足が売り。4月の月間MVPに選ばれてさらに自信をつけた。
  そのロッテには今江三塁手、サブロー外野手のPL学園コンビ。中継ぎエース薮田と代打で頑張る渡辺の上宮高OB、さらに新人ながら4勝(1敗)をあげた久保投手(関大一高ー松下電器)もいて、交流戦の単独優勝に貢献した。西武では1番に抜てきされた栗山外野手が兵庫育英高、6勝(1敗)と荒稼ぎした西口投手が県和歌山商出身。
 もう1人忘れられないのがオリックス・吉井投手(箕島高)。戦力外を通告されながら、テスト生として年俸440万円で再入団。5球団を相手に先発し、28回3分の1を投げて自責点4.ヤクルト、巨人、横浜からの3勝はナインを元気づけた。
 今季のオールスターは第2戦は23日、甲子園で行われる。ファン投票の最終結果は、あす7日発表される。だれがニューヒーローに輝くか。そして、交流戦の成績もカウントされるペナントレースの行方は−−。
 
 
スポーツ観戦ガイド  
 
  野球] 11〜13日 都市対抗近畿代表決定戦(舞洲球場)
バレーボール] 26〜27日 全国いそじ大会大阪府予選(大阪府立体育会館)
陸上] 18日 京都マスターズ(山城運動公園競技場)
ダンス] 29〜31日 第18回全日本高校・大学フェスティバル(神戸文化ホール)
 
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