シニアのための情報新聞「フロンティアエイジ」
朝日新聞朝刊とともにお届けします。 フロンティアエイジ
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旅 歴史を歩けば 伝板葺宮跡
 
飛鳥保存の原点の地 石ころの野は今  復元されて歴史を語る
 
   奈良県明日香村は、陽に映える新緑の中にあった。そこここに観光客の姿があり、遠足の子どもたちの声が弾んでいた。私もまた、万葉時代をしのばせる景観を楽しみながら、飛鳥路を歩いた。この景観を残した「飛鳥保存」こそ、今年4月に法的に認知された「文化的景観」保存の嚆矢だったと振り返りながら。
飛鳥の板葺宮跡と伝えられる地の大井戸遺構

 大和の典型的な農村風景、といわれる景観が今に残るのは70年6月末、ここを訪れた佐藤栄作首相が、国としての保存を約束したことに始まる。その年の早春から高まった「飛鳥保存」運動の成果だった。
 保存キャンペーンを始めたのは朝日新聞社。当時、その奈良支局で文化担当記者だった私は、上司から保存を訴える記事の出稿をしばしば催促された。とはいえ、駆け出しの記者は「書くネタ」を探すのに頭を痛めた。そのころはまだ一般に、景観が文化遺産だという認識は薄かったからだ。
 「飛鳥には一見何もないが、地下には飛鳥京の遺跡がある」。初代の奈良県立橿原考古学研究所所長だった末永雅雄さんの言葉に救われ、励まされた。奈良教育大教授の美学者、寺尾勇さんからは「飛鳥の遺跡は、周囲の風景と一体になってこそ、残す意味がある」と景観保存の意義を教わった。2人は保存運動の火付け役だった。
 「文化的景観」は92年、ユネスコが世界遺産を指定する概念として導入された。それを受けて日本でも、昨年の文化財保護法改正で文化遺産の基準に加えられ、保存の手がのべられることになった。代表的なものは棚田や里山だが、飛鳥路の風景はまさにそれにあたる。そのうえここは、古代の都であったという歴史的意味が加わる。
 近鉄吉野線の飛鳥駅で下車。猿石で知られる吉備姫王墓、鬼の雪隠、亀石へと続く周遊道をたどって伝板葺宮跡に向かった。この宮跡は、現在も話題を提供し続ける「飛鳥古京」発掘の原点である。
 35年前、私が飛鳥保存キャンペーンを意識して、はじめて書いた記事は、大井戸を伴うこの遺構についてだった。記事に添える写真を写した時のことを、今も鮮明に記憶している。石ころばかりで、あまりにも殺風景。そこで役場の若い女性に懇願し、水がわき出る遺構の横に立ってもらった。風が冷たい日だった。
 弁当を広げた子どもたちでにぎやかな川原寺前広場を過ぎ、飛鳥川を渡る。橋に添うようにコンクリート製の大きな水路が川をまたぐ。「吉野川分水」である。説明板に総延長40万メートルもの国営かんがい配水事業として造られたとある。伝板葺宮の遺構は、この事業にかかわる発掘で出土した。
 その後も明日香村では高松塚やキトラ古墳、酒船石遺跡など、マスコミをにぎわす発掘・発見が続いた。しかし、飛鳥フアンたちが万葉人の暮らしをしのび、歴史を追体験するために必ず訪ねるのが、伝板葺宮跡であることは今も変わらない。
 復元整備された遺構に立って周囲を眺める。山、田、畑、民家の家並みの景観に心が和む。一人でも多くの人が村を訪れ、「文化的景観」保存の大切さを理解して欲しいと思った。   (高橋 徹 元朝日新聞編集委員)
 
 
音の裏側 さらって集まる
 
 

 「本職は何ですか」−そう聞かれた経験を持つ楽団員が結構います。いまだに「オーケストラは趣味でやっている」と思っている人がおられるようですが、大阪センチュリー交響楽団のメンバーはれっきとした「プロ」。年間90回ほど演奏をしています。
  「定期演奏会」は自ら主催する演奏会。定期会員やセンチュリーメイト会員、一般の音楽ファンに私どもの選んだ曲を聞いて頂き、「センチュリーへの演奏依頼」を考えるクライアントに実力を披露しようというものです。
  「依頼公演」の場合を含め、楽団員は「合同練習」「本番」というサイクルで仕事をしますが、彼らの間では今も「さらう」という懐かしい言葉が生きています。楽団員はそれぞれ楽譜を自宅に持ち帰り、「おさらい」をしてから、オーケストラハウスでの合同練習に集まってくるのです。今日もどこかで、一人黙々と「さらって」いる楽団員が。
  (大阪センチュリー交響楽団事務局長・出野徹之)

 
 
聴こうか  
 
  大阪ブルーノート

 7月のラインアップも多彩。25〜26日はプラターズ=写真=が来演。50年代から「オンリー・ユー」「煙が目にしみる」などの大ヒットを飛ばし、メンバーの交代を重ねながら懐かしい青春のハーモニーを維持し続けている。第1ステージ17時半、第2ステージ20時半会場。8400〜6400円。
  6〜7日=ケニー・ギャレット、8〜9日=ジャネット・ケイ&アスワド、11〜12日=10cc、14〜15日=古内東子、16日=小松亮太、18〜19日=アン・ヴォーグ、20日=ハバ、21日=パット・マルティーノ、22〜23日=クレモンティーヌ、、27〜29日=渡辺貞夫グループ。
[プレゼント]プラターズの25日第1ステージにペア2組を招待。抽選に洩れた方全員に優待割引証を返送。応募は往復はがきのみ。〒住所・氏名(以上は返信用にも)・年齢・TELを明記し、フロンティアエイジ「ブルーノート」係へ。13日必着。招待券および優待割引証は阪神コンテンツリンク社から発送されます。
 
  ミート・ザ・プロミシング・アーティスツ
 未来を担う若い指揮者、演奏家を支援するコンサート。大阪センチュリー交響楽団が共催出演し、次の日程で「いずみホール」で開かれる。7月26日19時〜。指揮:大河内雅彦、ヴァイオリン:高木和弘、ピアノ:松村英臣で、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」より、サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲「皇帝」、7月31日14時〜。指揮:小林恵子、ヴァイオリン:中島慎子、ソプラノ:垣岡敦子で、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、グノー歌劇「ファウスト」よりほか。
プレゼント]このコンサートにペア2組を招待します。希望日を明記し、フロンティアエイジ「コンサート係」へ。13日必着。
 
  モンゴル僧声明大阪公演
  8月4日18時半、大阪市天王寺区下寺町の応典院。モンゴルウランバートル市ダシチョイリン寺の僧5人の力強い読経と、長屋和哉の仏具を組み合わせた打楽器の共演。去年5月、モンゴルで好評だった演奏の再現で、松本市の神宮寺企画による全国5公演のひとつ。応典院寺町倶楽部(TEL06・6771・7641)主催。3000円(要予約)前日の3日には京都の金剛能楽堂で公演。
 
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