シニアのための情報新聞「フロンティアエイジ」
朝日新聞朝刊とともにお届けします。 フロンティアエイジ
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演芸めいげん 上田 文世
 
筆の先でドガチャガ  
 
   古着屋にべっぴんの女子衆(おなごし=お手伝いさん)がやってくる。この女性によく思われようと、一番番頭が得々と話す。「気に入った古着があったら言いなはれ。お金? ちょっとずつ入れ掛けにして、何回かお金入れたら、帳面の方は筆の先でドガチャガ、ドガチャガ・・・・・・。知らん間に欲しいモンが手に入ります」。落語『口入屋(くちいれや)』の一幕だ。
  古典落語にはこんな実力≠持つ番頭が顔を出す噺(はなし)が、いくつかある。『足上がり』では、番頭が中座の芝居を桟敷で見る。芸妓はん、お茶屋のお内儀(かみ)さんをはべらせ、ご馳走をぎょうさん並べて、お供の丁稚には小遣いまで渡す。お金の出所を丁稚に聞かれて番頭が答える。「こらみな、筆の先から出るんや。お前も今にわかる」。
 この「ドガチャガ」の大掛かりなものが、検察庁の手が入った橋梁工事の談合だ。道路公団OBを多数抱えた業者ほどたくさん受注し、その人脈で予定工事価格を聞き出して落札。30兆円の赤字を抱える公団から、本来の利益以上の儲けを稼ぎ出していた。大阪市から始まって各地で明らかになった職員のヤミ退職金、年金受給では、何だかんだの口実を設けて自分たちへの厚遇策を引き出していた。落語の番頭さんの稼ぎと違って、これらのお金は通行料や税金といった公金。しかも巨額である。
 『百年目』という噺では、番頭の不正を知った旦那が「帳簿を調べたが穴がない」と逆に感心し、その才能を商売に生かせと諭す。前述の『足上がり』では、旦那が「飼い犬に手を噛まれたとは、このことじゃ」と怒り、番頭は上方言葉で「クビ」になる意味の「足が上がり」をさせられることになる。
 公団や公務員に対しては? 
 当然「ドガチャガ」で済ませられる話ではない。どんな「筆の先」があったのか、その実態を糾明し、不正には断固たる態度、決断をしてほしいものだ。  (演芸ライター
 
 
旬を先取り 新スポーツ ディスクゴルフ
 
 
林野を巡り大技小技 風読む面白さ 世代超え熱中
 
   商品名フリスビーでおなじみのプラスチック製の円盤「フライングディスク」。その楽しさを生かした種目が幾つか考案されているが「ディスクゴルフ」もそのひとつ。林や池などの自然を生かした18ホール(または9ホール)の専用コースを回り、何回投げてバスケット状のゴールに入れるかで勝負を決める競技。ルールはゴルフに準じ、9ホールでパー27。
  公認のディスクは直径約21センチ。重さ150グラム程度であれば、何枚使い分けてもいい。ゴルフがクラブを何種類も使えるのと同じ考えだ。投げる瞬間に鋭く手首のスナップを利かせ、ディスクに十分な水平回転を与えることがポイント。ゴールは直径65センチで、高さ約1メートルの所に設けられ、上部の鎖にディスクを当てて下のバスケットに落とす仕組みになっている。
 距離は9ホールで延べ700メートルほど。何人でもプレーできるが、通常は4人1組で行う。地形や風向きを考えて投げないと、とんでもない方向へ飛んでいくのも面白い。
 滋賀県の希望が丘文化公園にある専用で5月末に開催された「滋賀オープンディスクゴルフ大会」には日本各地から73人が参加。オープン、レディース、ジュニア(18歳以下)の部に分かれ、小学1年生から73歳まで、幅広い年齢層の選手が池あり、谷ありの変化に富んだコースを楽しんだ。
 レディースの宮本翠さんは、びわこ成蹊スポーツ大1年生で初めての大会参加。「ゴールが直接見えないコースもあって攻め方が難しいけれど、狙い通りにゴールすれば気持ちがいい」。同県・蒲生町の安田仁美さん一家は5人で参加し、長男の政貴君(中学1年)がジュニアで優勝。「公式大会は初めて。優勝は狙っていたのでうれしい。これをきっかけに他府県の大会にどんどん出たい」と、自信がふくらんだ。名古屋市から来た高倉大君(小学2年)は「お兄ちゃんやお父さんに勝ちたい」と、毎週コースで練習している。
 高槻市の永田良行さん(45)は「他の競技をしていたのだが、勝ち負けにこだわりすぎて嫌気がさした」転向組。ディスクゴルフの和気あいあいの雰囲気に魅せられ、その楽しさを多くの人に伝えたいとクラブまで結成して頑張っている。奈良市の光田和恵さん(38)は「もう生活の一部として欠かせない。もっともっと上手くなって、一生続けたい」と、いかにも楽しそうに軽々と投げていた。
 大津市の中村公一さん(40)は「いろいろな生涯スポーツを体験した中で、一番面白いのではまってしまった」そうで、滋賀県フライングディスク協会の事務局長として普及に走り回っている。同協会理事長の早川浩一さん(43)は、オープンの部で2位に入賞し貫禄を見せた。「まだまだなじみの薄いけど、楽しむ人がどんどん増えてきています。3世代で楽しめるニュースポーツをもっと広めたい」と、広報活動にも意欲的だ。問い合わせはTEL077・537・6032。 (
 
 
「メグ・カナ」巻き返すか 注目集める女子バレー 
 
   女子バレーボールの「ワールドグランプリ」(7月)は、世界の強豪12カ国が参加し、予選、決勝ラウンドともリーグ戦で行われた。アテネ五輪組は4人だけの「新生日本」は、東京―韓国−タイ−仙台と転戦、全14試合がテレビ放映され、ニューヒロインが、お茶の間の話題をさらった。
 人気NO 1の菅山かおる(26)身長169センチ。JTでは大型選手の加入でリベロ(守備専用)に転向していたが、豊かなジャンプ力と運動能力を柳本監督に見込まれてアタッカーで抜擢。そして、ライバルの韓国、中国戦では、攻守にはつらつとしたプレーで見事期待に応えた。吉澤智恵(21歳・武富士=172センチ)は若さに似ず巧みなスパイクで相手を惑わせ、菅山と交互に、エース高橋みゆき(26歳・NEC=170センチ)の対角をこなした。アテネ行きを直前で逃した宝来真希子(26歳・JT=187センチ)も、ブロックや移動攻撃が冴え、イタリア戦で試合の流れを呼び込んだ。
 今大会は「ITバレー」が流行。ベンチでのデータ分析で、瞬時に作戦が変わるので、力より技が幅を効かし、頭脳的プレーヤーのうまさが目立った。北京五輪でメダル獲得を狙う柳本監督は「変化とスピード」を強化目標に掲げている。
 昨年「メグ・カナ」ブームを起こした栗原恵(20歳・パイオニア=186センチ)と大山加奈(20歳・東レ=187センチ)が、3人を相手に、どう巻き返すか。9月から始まるVリーグが興味深い。 
 
 
スポーツ観戦ガイド  
 
  高校野球】 6日〜20日 第87回選手権大会(甲子園球場)
陸上】 29日 和歌山マスターズ(紀三井寺陸上競技場)
インディアカ】 21日 高槻市カップ(高槻市総合体育館)
 
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