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| ドキュメント 私たち「超家族」 (5) |
決断の集積 |
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「コミュニティーハウス法隆寺」に6月末、最後の2人が入居し、建物の竣工から8カ月を経て8世帯13人(夫婦5組・単身3人)がそろった。共生の住まいをつくる計画がスタートしてから3年2カ月の日々を重ねて迎えた「夢の完成型」であり、肉親を超えた「超家族」の営みへの「第2の門出」でもあった。
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| 戸澤夫妻(後列右から2・3人目)も仲間入りした |
最後に加わった戸澤力(67)・昌子(66)夫妻は、千葉県浦安市の駅に近いマンションでの超便利な暮らしを捨ててやってきた。力は自動車メーカーで働いたデザイナー、昌子は地域の民生委員や子育て支援のボランティアとして長年、福祉活動に関わってきた。若い頃から絵を描き、古代文化に焦がれて奈良へ通い続け、定住のために本気で古家を探したこともあった2人にとって「コミュニティーハウス法隆寺」がある斑鳩は「まさに夢の場所」。引っ越し当日の朝まで、地域活動に関わる身辺整理に奔走したうえでの斑鳩移住だった。
2人を迎えて7月2日、ハウスの地主である巳浪彰司・美代子夫妻も加わり、15人による歓迎会がにぎやかに開かれた。食卓には各戸が持ち寄った得意料理が並び、ワインや銘酒の杯をかわす中で、自己紹介を超えて夫婦や個人の出会い、それぞれの半生、そしてこの家での暮らしを決断した理由までが語り合われた。共生の家づくりの呼びかけから、多くの「夢」と付き合ってきた向平すすむは「今日こそ本当の竣工式」という感慨でいっぱいだった。
振り返れば様々なかたちの勉強会や個人面談を繰り返し、参加を働きかけた相手は300人を超える。ボランティア団体の会報にも設立の趣旨や共生への思いを書き続けた。そんな中からいったんは参加の意向を示しながら夫婦、親、子ども、地域で築いた友人、仲間との関係、さらに老後の資金の使い方、相続の問題など、多様な理由で脱落していった人たちがいる。「新しい暮らし」は、半端な決心では手にすることができない。「熟慮の末に踏み切る勇気。それを支える元気」がいる。
その「決断」を出来た人の集まりが「コミュニティーハウス法隆寺」の13人。「だれが、どんな物差しで入居者を選んだのか」と、この暮らし方に関心を持つ人たちから問われることが多いが、自らの意思による選択、つまり「自己決定」の結果だとしか説明できない。
「他人と暮らすことが出来る人、他人のために働くことが出来る人、その方が楽しいと考える共通の価値観を持った人の集まり」(河野和子)、「いままであったものをスパッと捨て、生き方を変えることが出来た人たちばかり。楽しくて前向き、個性的であることに生きがいを感じている」(戸澤昌子)。入居者の代表的な声である。(敬称略) |
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| 「北欧福祉」も同じ課題 |
賢明な解決へ懸命の模索 今を探る2冊の本 |
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福祉先進国である北欧の最新事情を伝える2冊の本が注目されている。「スウェーデンの高齢者福祉〜過去・現在・未来」(石原俊時訳)と「デンマークのユーザー・デモクラシー」(朝野賢司ほか著)で、いずれも東京・新評論刊。
「スウェーデン」では、年金一元化、小規模多機能施設の展開など、日本の高齢者政策に影響を与えてきたこの国でも、「団塊の世代」である1940年代生まれが05年〜15年に年金生活者となり、福祉水準の維持とその財源確保が最大の課題となっていることを紹介。98年に「国家行動計画」を定めて国や自治体、市民組織などが取り組み、「未来に対して命がけの跳躍を試みようとしている」姿を訳者は強調する。186ページ、2000円。
「デンマーク」は5人の若手留学研究者の共同報告。高齢者福祉、育児、教育、医療といった社会保障を受ける利用者こそが、自治体の政策決定や実施課程に直接参加する「利用者民主主義(ユーザー・デモクラシー)」を紹介。60歳以上が選挙権と被選挙権を持つ高齢住民委員を始め、さまざまな福祉委員会が活動しているという。
研究分野の異なる5人が地方分権改革と財政、住宅再開発などまちづくり、自然保護と風車発電などの環境エネルギー政策まで、利用者民主主義とのつながりを解明していく。現地を歩いたうえでの集約だけに具体的で説得力があり、「もうひとつの地方分権改革」の提起として注目される。332ページ、3000円。
◆プレゼント 2冊をそれぞれ5人に。はがきでフロンティアエイジ「スウェーデンの高齢者福祉」係、「デンマークのユーザー・デモクラシー」係へ。10日必着。 |
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