シニアのための情報新聞「フロンティアエイジ」
朝日新聞朝刊とともにお届けします。 フロンティアエイジ
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近場おもしろ旅 06年初おでかけ
 
大阪城と真田の抜け穴 熊野道起点〜晴明神社
180円で琵琶湖一周 西宮の「酒蔵通り」一帯
バスで巡る冬の明日香 アルプスを味わい尽くす旅
 
 
大阪城と真田の抜け穴  
 
 
憎っくき家康を手玉 幸村活躍の跡探る
 
北側から見た大阪城天守閣(手前は旭堂南海さん)
  豊臣秀吉が築いた大坂城が「夏の陣」で炎上したのは今から391年前。上方講談『難波戦記』では、狸おやじ徳川家康を相手に大奮戦する知将・真田幸村が描かれる。講談師の旭堂南海さんと大阪城内や周辺を歩いた。正門の大手門で出会い、桜門から本丸広場へ。目前に天守閣がそびえる。

 夏の陣前年の「冬の陣」を前に、幸村は紀州・九度山を抜け出し、本丸広場で秀吉の遺児、秀頼に対面。天守に上って城の東南が危ないと指摘。三の丸の外に出丸、そして城の内外に通じる真田の抜け穴を作る。

 天守閣東北の山里丸は秀頼や生母の淀殿らが自害した所といわれ、碑には今も花が手向けられている。抜け穴は桜門東側の空堀に一つ。6番櫓下の外堀にも、それらしき石垣のへこみがある。

 出丸があった真田山に「これぞ抜け穴」というのがあるというので、玉造口から南下し、中央大通りをこえて城外へ。ビル群を抜けると閑静な住宅地。左に大阪女学院を見て空堀町に至る。この辺りまでが秀吉時代の城域といい、天守閣から1キロ以上。城の広大さがしのばれる。さらに南へ「歴史の散歩道」を歩いて餌差町交差点で左折。真田山小学校に沿って北に曲がり、少し行くと三光神社。その境内に真田の旗印・六文銭入りの鉄柱で閉じた抜け穴があった。

 講談では幸村は出丸や抜け穴を使って、徳川方を縦横に翻弄。城に炎が上がると抜け穴を使って秀頼を救い出し、大川から船で尼崎に出て薩摩に落ち延びる。鹿児島には秀頼の墓が残り、「雪丸」地区には、幸村の子孫という「真江田(まえだ)」姓の人が、今も住んでいる。

 天守閣見物も含めて4時間弱。幸村の胸すく活躍ぶりを想像しながら歩くのが楽しい。  (
 
熊野道起点〜晴明神社  
 
 
京の都からの船着場 陰陽師の生地に銅像
 
 
「八軒家船着場」(右)と安倍の晴明生地の碑
 京阪天満橋近く、土佐堀通の昆布店の店先に「八軒家船着場の跡」と刻まれた高さ1メートルほどの石柱。大阪市に残る熊野街道の出発点だ。世界遺産登録の「紀伊山地の霊場と参詣道」の人気は衰えないが、「熊野もうで」を志すいにしえの都人は京都から船で淀川を下り、ここから陸路をとった。

 そこを歩いてみる気にさせたのは、たまたま手にした京阪電車お客サービス事業部(TEL06・6944・2522)発行の「京阪沿線ウオーキングまっぷ−熊野街道」だ。

 船着場跡には迷わずに来たが、近くの第一王子跡までは3人に尋ねた。熊野街道には「九十九王子」と呼ばれる、熊野神や眷属神をまつった場所がある。道中の休憩所でもあった。第一王子の窪津王子跡は、ビルの陰にある小さな社だった。

 御祓筋通りが古道の推定地。第二王子跡とされる坂口王子伝承地は南大江公園内にあった。やがて「榎木大明神」のエンジュの大木が目についた。樹齢は650年とか。足利義満側室一行の華やかな行列も、この木に出あったはずだ。

 今回は阿倍野区にある街道沿いの安倍晴明神社にも参りたいと思っていた。平安京の闇にうごめく悪霊と戦った陰陽師・晴明は近年、小説やコミック、映画などで話題になり、京都の晴明神社は修学旅行生の参詣も盛んだ。約7キロ。道草を食いながら3時間足らずで生誕地跡の晴明神社に着いた。05年9月の没後千年を記念して境内に等身大の銅像が立てられていた。

 ここを管理する阿倍王子神社も熊野九十九王子のひとつ。大阪の熊野街道は車が行き交うだけの場所ではなく、商店街や路地などの生活道路にもなっていて、案内板にも時折出合い、興味深いものがあった。  (
 
 
180円で琵琶湖一周  
 
 
刻々変わる湖畔風景 駅弁買って左席に 
 
 
車窓から見る棚田の向こうに湖面が顔を見せる
 JRには「大都市近郊区間内のみを利用する場合の運賃計算の特例」があり、重複しない経路をうまく選べば、1区間分の普通運賃で長距離を乗ることができる。改札口は出られない文字通りの電車の旅である。琵琶湖一周のんびり電車旅を試みた。

 JR山科で隣の西大津までの切符を買う。180円ナリ。11時9分発の琵琶湖線米原行き普通電車に乗車。琵琶湖を時計と逆回りで一周し、西大津まで行こうというわけだ。

 座席は進行方向に向かって左側。大津を過ぎ、石山に近づくと琵琶湖が見え、その奥には比叡山。瀬田川を渡ると、しばらくは湖の景色から離れ、近江平野の田園地帯を走る。

 彦根に近づくと国宝彦根城の天守が見え、やがて米原に到着。北陸線の長浜行き電車が出るまで少し時間があるので駅弁を買う。駅弁をホームで買えるのはここだけだ。

 伊吹山を右、見え隠れする湖面を左に眺めながら長浜に着き、敦賀行き電車に乗り換える。このあたりまでくると湖北の風情で、特に余呉駅近辺からの賎ヶ岳と余呉湖の眺めは最大の見所だ。

 近江塩津に13時過ぎに着き、13時49分発の近江今津行きを待つ間に、広い待合室で駅弁を開く。この駅から見る雪景色もいいそうだ。近江今津まではトンネルが多いのが残念だが、近江今津で湖西線の普通電車に乗り換えると左に琵琶湖、対岸の奥に鈴鹿の山並、右は比良の山々の景観が素晴らしい。近江舞子、比良、志賀あたりの棚田の模様も面白い。15時29分西大津着。4時間余りの琵琶湖一周の旅だった。

 塩津〜今津間が昼間は3本だけなのが留意点。同様の旅を楽しめる大都市近郊区間は『時刻表』の「運賃計算の特例」欄に載っている。  (
 
 
西宮の「酒蔵通り」一帯  
 
 
お酒文化の発信競う おしゃれな場に変身 
 
 
井戸場を修景した石在町の「宮水庭園」
 西宮市役所から南へ歩き、国道43号を渡ると大関、白鹿、白鷹、日本盛など、なじみ深い日本酒の大看板が目に入る。周辺は全国日本酒の3割近くを生産する「灘五郷」の「宮水」地帯。約40の井戸場が集まり、「宮水庭園」や「宮水発祥之地」の碑がある。

 「宮水庭園」の少し南の道は89年の公募で「酒蔵通り」の愛称がついた。夙川から阪神甲子園球場近くまで約3キロ。西宮市から神戸市灘区に広がる「灘五郷」のうち今津郷と西宮郷を結んでいる。

 酒づくりはコンピューター管理になり、白壁に黒い瓦の酒蔵はビルに変わった。阪神淡路大震災で酒造所をたたむ会社が出て、「西宮酒造家十日会」の会員は21社から14社に減り、マンションやスーパーなどが増えた。

 この酒蔵通りに、資料館やしゃれたレストランのある新スポットが数年前から相次いで誕生した。「白鷹禄水苑」「酒ミュージアム・白鹿クラシックス」「日本盛酒蔵通り煉瓦館」「大関甘辛の関寿庵」。漬け物、菓子、酒器など、酒にかかわる独自商品の売り場やホールなどを備え、音楽会や文化講座、工場見学で「酒文化の発信」に努めている。無料の「きき酒」もあり、若者やグループ、家族連れの姿が多い。

 「宮水」は西宮神社の周辺に湧く六甲山系からの伏流水。天保年間、樽廻船で江戸まで運んでも味落ちしないことが実証され、灘の蔵元が競って使った。「十日会」事務局の前嶋保男さん(64)によると、昔は一帯が海。地表に近い砂の層に海草や貝殻が堆積し、炭酸塩を含んだ六甲の硬水が砂層でミネラルを取り込み、鉄分の少ない「最適の水」になるのだという。

 町の姿は変わっても、「宮水」がある限り「酒どころ日本一」は揺るがない。  (
 
 
バスで巡る冬の明日香  
 
 
古代ロマン独り占め  オフの静けさを満喫 
 
 
川原寺あたりを走る「かめバス」
 冬の明日香村は静かなたたずまい。シーズン中は人の列が続く歴史の舞台も、人影は時折よぎる程度、踏みしめる落ち葉の音が静寂を破る。村の助成で奈良交通が運行する明日香周遊バスでのオフ旅がおもしろい。

 村内の亀石遺跡にちなむ「かめバス」の愛称で03年秋から運行しているが、意外に知られていない。近鉄橿原神宮駅〜飛鳥駅間の観光スポットをぐるっとまわる周遊バス(赤かめ)は、12月〜3月末は毎日1時間に1本運行(9月中旬〜11月末は2本)。

 1日フリー乗車券(650円)で乗り放題なので、時刻表をにらみながらスケジュールを組めば、名跡各所を次々に巡れる。さらに村健康福祉センターから発着する村内遠隔地行きの循環バス(金かめ)に乗り継げば、片道100円で奥飛鳥の隠れ名所まで訪ねることも出来る。

 健康福祉センターはスポーツクラブ、喫茶・弁当コーナーもある村のサロン。行楽客にも開放されており、とりわけミネラル豊富な人工海水風呂の「大海人の湯」と、古代桧を使った和風風呂の「讃良の湯」、サウナもある「太子の湯」が人気。ウオークの汗を流す村外客が半数を占める。平日400円、休日600円。

 明日香歩きには村民40人が登録している観光ボランティアガイドとの同行がお薦め。交通費1000円と食事時間帯なら食費を負担するだけで案内。文化財の勉強を重ね、最新ニュースの甘樫丘の入鹿建物跡説までわかりやすく説明してくれる。

 バスの時刻表、レンタサイクル、ボランティアガイド予約など相談や資料は飛鳥京観光協会(TEL0744・54・2362、http//asukakyo.jp)へ。しみじみと古代ロマンの地を楽しみたいなら、今が一番だ。 (
 
   
 
アルプスを味わい尽くす旅  
 
 
3月に説明会兼ねてスライドショー 朝日サンツアーズが主催
 
 
ゴルナーグラート・クルムホテルと山々
 マッターホルンなどアルプスの4000メートル級の山々に囲まれた山岳ホテルに投宿し、白銀の山塊や氷河が刻々と色を変える光の饗宴、漆黒の天空に散りばめられた星たちのきらめきに心躍らせ、時間を気にせず大自然をハイキングや花の探訪で楽しむ─そんな贅沢な旅を朝日サンツアーズが計画、その説明会を兼ねた「スイスアルプス・スライドショー」を3月に各地で催す。

 山間の町の下水はパイプで山裾まで下ろしたり、電気自動車でないと村に入れなかったり、スイスの人びとが智恵を絞り、長い時間をかけて守り続けてきた、ありのままの自然や暮らしの環境。鉄道が発達したこの国では、どこでも手づかみで大自然が楽しめる。

 ツェルマットからの登山電車の終点ゴルナーグラートはその超1級のエリア。改修を終えたばかりのゴルナーグラートクルムホテルからはマッターホルン、モンテローザ、ブライトホルンなどの高峰や氷河の景観が間近に360度展望できる。人生で一度は味わいたい旅と言えるだろう。
[スライドショーの日程と会場] 参加費無料 定員各40人
予約・問い合わせ=朝日サンツアーズ TEL06−6222−2828
京都会場 3月 1日(水) 午後3時〜4時30分 朝日カルチャーセンター京都=京都朝日会館8階
芦屋会場 3月 2日(木) 午前10時30分〜正午 朝日カルチャーセンター芦屋=ラポルテ本館4階
千里会場 3月 6日(月) 午前10時30分〜正午 朝日カルチャーセンター千里=千里朝日阪急ビル3階 
神戸会場 3月 8日(水) 午後1時〜2時30分 朝日カルチャーセンター神戸=センタープラザ西館4階 
奈良会場 3月 9日(木) 午後1時〜2時30分 朝日カルチャーセンター奈良=近鉄奈良駅ビル3階 
川西会場 3月10日(金) 午前10時30分〜正午 朝日カルチャーセンター川西=アステ川西6階 
大阪会場 3月13日(月) 午後2時〜3時30分 朝日旅行センター中之島・新朝日ビル8階 
 
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