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| 知的な住まいで素敵なシニアライフ |
神戸に初のカレッジリンク型住宅 |
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| アンクラージュ御影の完成模型 |
わが国では初めてとなる「カレッジリンク型シニア住宅」の建設が、神戸市灘区土山町で進んでいる。入居者である高齢者はシャトルバスで大学に出かけ、好みの講義を学生と一緒に聴く。サークルなどにも参加してキャンパスライフを楽しみ、知的好奇心や生涯学習意欲を満たして生活の質を高めようという狙い。財団法人社会開発研究センター(東京都)の呼びかけで、関西大学文学部(大阪府吹田市)と株式会社アンクラージュ(兵庫県尼崎市)の3者が提携、08年度からの実現を目指す。大学側はシニアと現役世代の間のネットワーク形成と併せて学生確保も目論む。少子高齢時代を映す“鏡”ともいえる試みだ。
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季々彩々
写真・青井捷夫
痰切りの薬効が由来のタンキリ。色の美しさでリースにも重宝される=五條市西吉野町 |
社会開発研究センターの村田裕之理事長(東北大学特任教授)によると、カレッジリンク型住宅は約10年前に米国で誕生。大学と企業が提携する形で私立・州立の大学キャンパス内に老人ホームを設置・運営しており、現在では60カ所にも広がっている。
その代表例は2000年、マサチューセッツ州ニュートン市のラッセルカレッジ構内にできた「ラッセル・ビレッジ」。65〜95歳の210人(平均83歳)の入居者は歴史・文化・哲学・文学など年間450時間以上、ビレッジ独自のクラスで学習するほか、入居者が講師になったり、現役学生の相談役になったりすることもある。老人ホームでは通常、開所5年後には10%前後が要介護状態になるとされるが、ここでは2・5%にあたる5人しかおらず、全員が生き生きして実年齢より10〜15歳は若く見えるそうだ。
アンクラージュが約2万2千平方メートルの敷地に建設中の「アンクラージュ御影」は高齢者向け共同住宅220戸(1戸平均67平方メートル)と有料老人ホーム63室(1室同24平方メートル)で、07年以降に入居者を募集し、完成は同年末。
計画では住宅と関西大学千里山キャンパス(直線距離で約25キロ)間にシャトルバスを走らせ、入居者は片道30〜40分かけてキャンパスへ。文学部が作成したプログラムに沿い、単位取得を希望しない聴講生、単位認定のある科目等履修生、本格的に勉強する4年制の社会人学生のコースを選んで学ぶ。ゼミやサークル活動、大学の主催行事にも参加し、キャンパス内の体育施設、図書館、博物館なども使える。大学側は住宅に講師を派遣する出前講座も開く計画。 |
新しい試みに取り組む関西大学の芝井敬司文学部長は少子高齢時代の大学のあり方について「シニアを受け入れることで、大学を若者の高等教育機関という位置づけから、年齢にかかわらず知的好奇心で結ばれた場へ脱皮・再生する突破口にしたい。世代間交流の開かれたコミュニティーとしての大学を目指し、結果として学生確保にもなればありがたい」という。
文学部で実施する意味については「社会で経験してきた実学的な分野より、人文科学系の方が知的好奇心を刺激する多様性に富み、興味を呼ぶのではないか。若い時にできなかったこと、やり残したことにチャレンジしてほしい」と解説。シニア住宅に関心を持つ人に向け、ひと足早く07年度から、芭蕉やコーラン、フランス映画史、英米文学、ギリシャ・ローマ史――などをテーマにした講座を設ける。
そして「シニアと現役の交流」では「適切な人材を発掘し、講師や助手役、就職活動への助言・指導、学生相談のカウンセラー役などの委嘱も考えている。生きる姿勢を学生たちに伝えてもらえれば」と期待する。この試みが住宅の名の通り、世代を超えた「アンクラージュ(元気づける=フランス語)」に結実するか、注目される。
問い合わせは関西大学文学部(TEL06・6368・1146)、アンクラージュ広報室(TEL06・6436・2786)。 |
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