| |
 |
|
| |
|
|
|
| |
|
| |
|
| |
JR浜松駅を出たとたん、匂いに食欲をそそられた。浜名湖名物のウナギだ。環境省の「かおり風景百選」にも選ばれている。たまらず漁協直営店で鰻丼の昼食を取り、北西約13キロの湖畔にある舘山寺温泉の「ホテル九重」へ向かった。温泉街にも「うなぎ」の看板が多い。
「九重」は、敷地内での掘削で地下1850メートルから湧く湯温41.6度の独自泉源を確保。同時に3階建てを増築し、1階をいけす割烹、2・3階を豪華な大浴場にして昨年10月にリニューアルした。玄関では琴の生演奏とほのかなお香の薫り、客室には文机、香炉、行灯などで純和風のくつろぎを演出する。
3階は「大正浪漫の湯」で約490平方メートル。淡い照明、8角形の突き出し天井と湖側の窓にステンドグラスを配して「竹久夢二の世界」をイメージしたという。2階は約460平方メートルの「遠州絵巻の湯」。江戸時代の浮世絵師・安藤広重の版画を飾り、四つの浴槽を畳の床でつないで格子をあしらうなど、広重が泊まったであろう「旅籠の風呂」をしのばせる。
それぞれに源泉、檜湯、足湯、岩盤浴の湯があり、湖の漁で使った「たきや舟」形など露天と室内で計10浴槽。湯温を低めにして各種の湯をゆっくり楽しめるようにした配慮がうれしい。露天風呂のついた特別客室、家族などへの貸し切り浴室があり、温泉街の庭園に足湯もつくった。
夕食は、遠州灘産トラフグのテッサとフグ雑炊、いけすに泳ぐ好みの魚をさばいてくれる「活け造り」がメーンの計12品。食材はすべて魚種約700といわれる浜名湖と周辺でまかなう。自慢のトラフグは5年前に調理組合をつくって中京・関東圏へ売り込んでおり、「天然の味と舌ざわりを堪能してもらえるはず」。
宿泊客には夕方の湖上遊覧、ミニバスツアー(有料)などのサービスも。湖畔や地名ゆかりの曹洞宗・舘山寺がある舘山(標高50メートル)、ロープウエーで登れる大草山(同113メートル)などの散策もいい。 (清)
◆メモ 泉質=ナトリウム・カルシウム・塩化物泉▽効能=神経痛、筋肉痛、間接痛など▽JR浜松駅からバスで約40分(無料の送迎バスは要予約)。車なら東名高速浜松西ICから約15分。
●フロンティアエイジで見たと告げて予約すれば平日特別料金3万2450円(2人1室税込み)のうえラウンジのドリンク券サービス▽大阪営業所TEL06・4802・0351。 |
|
|
| |
|
| |
|
| |
“日本の名旅館100選”に滋賀県で唯一選ばれている「びわ湖温泉・旅亭紅葉」は、京都からJRで11分という近さ。もてなしの基本は“一客再来”。お客の一人ひとりに都心からわずかの距離に“非日常の世界”を演出し、何度も訪れたくなるサービスをモットーとしている。
天智天皇が開いた大津京、最澄開基の比叡山延暦寺、紫式部が源氏物語を執筆したと伝わる石山寺など古い歴史文化が根付くこの地にふさわしい旅館にと15年前にリニューアル。玄関ホールには金色に輝く紫式部の像、平安絵巻を壁面に施した“源氏回廊”をはじめ、至る所に雅びな雰囲気が漂う。
“旅亭”とは泊と食を分離し、琵琶湖が望める書院風の和室でのんびり寛ぎ、食事は趣のある料亭や湖畔のレストランでというコンセプト。この日は“竹生”という料亭で京風会席の和食。この季節らしく、松茸を使った焼物や土瓶蒸し、釜めしのほか、刺身や近江牛のミニステーキなど10品。器や盛り付けにも味わいがあり、一品で名物の鮒ずしなども頼める。
食前酒には来春のイベント“源氏物語千年紀in湖都大津”と同じ名の地酒の純米酒が出た。この秋から1年間は、それに因んだ料理などを提供。古代のチーズといわれる酥(そ)や黒米などもメニューに取り入れるという。
大浴場や露天風呂は琵琶湖に面し、朝日に染まる湖の眺めは感動的な絶景。“ホテル紅葉”の名でレジャーランドも併設していただけに収容能力は102室560人と大きい。 (木)
◆メモ 泉質=単純アルカリ泉▽効能=神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復▽JR西大津から徒歩7分。来春には駅名が「大津京」と変わる。
●フロンティアエイジ読者と告げて予約すれば向こう3カ月間、平日特別料金2万5000円(2人1室税込み)。食事は新設レストラン「湖彩」で。さらに先着15組には源氏回廊での十二単体験&記念写真プレゼントと、夕食時に1人1杯のグラスワインまたはソフトドリンク。以降も到着時に抹茶サービス(15時〜18時)。TEL077・524・8111。 |
|
|
| |
|
| |
|
| |
JR高山線で木曽川から奇岩を洗う飛騨川をたどり、ようやく開けた谷あいに下呂の温泉街がある。千年を超える秘湯の歴史と草津、有馬と並び「日本三名泉」といわれる湯に魅せられるシニアのほか若者も増えている。
飛騨川ほとりの水明館。1万坪に3層の宿泊・施設棟と庭園。1100人(246室)が泊まれる老舗旅館だが、「日本旅館特有の文化を大事にし、感動を差し上げたい」(松嶋秀樹支配人)と、温泉を楽しんでもらうことをサービスの中心に置く。
アルカリ性単純泉の湯は、粘りのある泉質でたちまち肌がつるつるに。豊富な湯量の源泉をかけ流しする。展望大浴場、下留の湯、野天風呂、貸し切り風呂に加え客室風呂の7割も温泉。どこも24時間入浴だから、はしごする客が多い。乳がんなどの手術痕を持つ女性たちの「一、二の三で温泉に入る会」が3年前、貸し切りで入浴。代表の評論家・俵萌子さんから感謝文「130人分のありがとう」が届いた。
25メートルの室内温泉プールとアスレチックを組み合わせた厚労大臣認定の「健康増進施設」では、専属インストラクターが診断とトレーニング指導。生活習慣病改善や介護予防の元気づくりのために長期や定期滞在の高齢者が増え、現代版・湯治場となっている。
食事も飛騨特産の山菜、川魚、飛騨和牛をメーンに注文を聞き、目の前で調理するレストランが人気。中島千波画伯が飛騨一之宮町の1100年桜を描いた大作「臥龍桜爛漫」を始め所蔵作品300点から選んで館内各所に展示、鑑賞ツアーを毎夕催す。
外に出れば、飛騨川原の野天浴場と温泉街の足湯が6カ所(無料)。こちらもはしごして楽しむ人たちでにぎわう。冬場の飛騨地方は雪が多いのだが、下呂はたまに数センチの積雪がある程度。11月後半からのオフシーズンがねらい目だ。 (向)
◆メモ 大阪から新幹線〜高山線が通常だが、直通特急ひだ号が1日1往復走る。3時間27分。
●フロンティアエイジ読者と告げて予約すれば、来年3月末まで平日特別料金1万8000円(2人1室税込み)のうえコーヒー券進呈。大阪営業所TEL06・6101・2588 |
|
|
| |
|
| |
|
| |
湯本温泉は山口県長門市にある。地の神である住吉大明神が約600年前、大内氏の開創した曹洞宗大寧寺に「功徳を施す礼」として湧出させた、と伝わる。温泉街に入ると、公園に大石で囲った足湯、いかにも温泉場らしい大衆食堂、川向こうには公衆浴場の恩湯も見えてきた。
音信(おとずれ)川を渡って旅館大谷山荘へ。家を出て愛車で7時間は走って来たから、まずはひと風呂浴びたい。広い湯船につかり、全身を存分に伸ばすうち、穏やかな湯に眠気を誘われ、桃源郷に遊ぶ心地に至った。
川沿いの遊歩道に出てみると、川風に乗って山の香が流れ、心地よさはこの上ない。むかし、湯女が恋しい旅人への想いを短冊にしたため、川に流したのが名の由来という音信川。群れた鯉たちがその流れをゆっくりと下っていった。
夕食は、旅館では珍しくレストランに用意された。フク(ここでは「グ」と濁らない)の鍋・刺身も添えた新会席料理。味わいも盛り付けも洗練されていて、新しい日本料理を示されたような刺激を受けた。食後、館内の円形の足湯に浸り、ビールを飲んでいると年配の二人が加わった。「山口に住んでいながら、こんないい所をこれまで知りませんでしたの」と女性が話しかけてくる。「8階の天体望遠鏡で織姫星を観てきました」とも。
翌朝早くに日本海の青海島入り口、仙崎漁港へ向かった。512編の詩を残し、26歳で亡くなった童謡詩人金子みすゞ(1903〜30年)のふるさとである。「みすゞ通り」に彼女が店番をした金子文英堂が残り、本館には遺稿集や遺品が並ぶ。魚屋の店先にみすゞの詩を手書きした紙が貼ってあり、軒先に詩をしたためた板切れなどが掛けられている家も多い。仙崎の誇りを、町を挙げて称えているように思えた。 (崎)
◆メモ 単純アルカリ性温泉。34・2〜39度▽JR=新幹線新山口→山陽線厚狭→美祢線長門湯本▽車=中国自動車道美祢IC→国道316号
●フロンティアエイジで見たと告げて予約すれば平日特別料金2万1150円(2人1室税込み)のうえラウンジで1ドリンクサービス。大谷山荘TEL0837・25・3221。 |
|
|
|
| |
|
|
|
|