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毎月15日、京都市左京区百万遍の交差点界隈に人があふれる。近くの浄土宗大本山知恩寺の境内で催される「百万遍さんの手づくり市」に集まる人たちだ。その人ごみにまぎれ込んでみた。(木下二二男) |
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ユキワリイチゲ(雪割一華)。
早春の林の日だまりに群れて薄紫の花で装う=篠山市大山宮で |
| 季々彩々 写真 青井 捷夫 |
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昭和62(1987)年4月「素人が自ら創った作品に、自ら値を付けて、自ら販売する」という趣旨でスタートしたこの市は、21年目のいま出展者は500を数え、訪れる人は1万人をはるかに超える。関東、北陸や九州からの客は、時に観光バスを仕立てるほどの人気。
その仕掛人は京都市に住む団塊世代の男性2人。造園業を営む榎本潔さん(57)と元出版編集者の臼井郁司さん(61)だ。「当初は軽い遊び程度の感覚で始めたのに、最近は手づくり市が生きがいなどといわれる方も多く、どうもおかしな気持ちです」と笑う榎本さん。
奥さんが手づくり品をデパートに出していたが、制約が多く、売り上げ管理も厳しい。それなら自分たちでやれないかと考えたのがきっかけ。
京都では北野天満宮の「天神さん」、東寺の「弘法さん」などの市が有名だが、業者中心の商業市。一般人が趣味と実益を兼ねて創った手づくり品を持ち寄ることに特化し、不用品などを売るフリーマーケットや古物・骨董市とも差別化したことで話題を呼んだ。
売る人も買う人もいわば素人だから、そこに思わぬ出会いや楽しさが生まれる。「これ、どないして着ますの」「ほな、ちょっと着てみましょか」。こんなやりとりが随所で交わされる。出展者の9割が女性、お客さんも女性が多い。 |
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ユニークな商品を探し出す楽しみと併せて、ここにはデパートやスーパーでは味わえない人と人の触れあいがある。「それが魅力で20年も続けて来ています」と語るのは当初からの出展者で手づくりの布袋などを売る福井幸子さん(川西市)。佃煮を商う吉田正歳さん(69歳・京都市)はこの市から始めて一昨年には常設店を開業したが「ここにくるといろんな出展者と知り合える。みんな何かを持っているから刺激も受けられる」と交流を楽しんでいる。
出展参加料は1ブース(1坪大)3000円が基本。ルールは手づくりのオリジナル品であることで仕入れ品は原則不可。手芸品、工芸品、洋服、食品ではクッキーや佃煮などが多いが、手づくり腕時計などユニークなものもある。
インターネットでこの市が知られ、数年前から出展希望者が急増。最近は限度の2倍を超える1000以上の応募があるが、リピーターの客を持つ“しにせ”もあり、すべてを抽選で決めるわけにはいかない。そこで、一昨年秋から京都駅近くの梅小路公園で毎月第1木曜に「一木手づくり市」を始め、こちらも今では200を超えるブースが出る。
「まだ出展者の大半は女性ですが、リタイアした男性も徐々に増えています。これからは団塊の世代に期待しているんです」と語る榎本さんと臼井さん。2人にとっても「手づくり市」が生きがいになってしまったようだ。問い合わせはTEL075・771・1631へ。
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