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| 愛と誇りを貫いた武人 |
明日への遺言 |
| 平和へ重い問いかけ |
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愛と誇りを貫いた一人の武人を描く「明日への遺言」が完成した。ピカソの絵「ゲルニカ」で始まるこの映画は、大岡昇平の「ながい旅」に感銘を受けた小泉尭史監督が構想15年、藤田まことと巡り合って生み出した感動の話題作だ。
長い戦いを終えた後、東京裁判で戦争指導者のA級戦犯が裁かれる一方、横浜地裁では戦争犯罪行為を命令したB級、その実行者C級戦犯の裁判が始まる。B級戦犯の一人、岡田資中将は東海軍司令官。部下19人とともに名古屋空襲の際、パラシュートで降下した米機搭乗員を正規の手続きを経ず処刑した殺人の罪に問われた。名古屋方面への空襲は38回に及び、とりわけ5月14日の空襲は486機が2563トンもの焼夷弾を投下し、市北部の80%を焼失した。
フェザーストン弁護人は無差別爆撃の残虐性を指弾し、搭乗員の処刑を決めた略式裁判の合法性を主張する。だが、岡田はすべての責任は命令を下した自分にあると陳述。その姿勢にうたれた検察官、裁判委員の好意的な質問にも、戦時の違法行為に許される報復ではなく、あくまで法に基づく処罰であったとの信念を曲げることはなかった。そして、最後に米軍の無差別爆撃に対する意見を述べる機会を与えられたことに感謝しつつ、防衛軍としてできる限りの最善を尽くしたことへの満足、争いのない日米関係への願いを述べる。
判決は絞首刑。だが、部下たちから死刑者を出すことはなかった。指導者の多くが責任の回避を図るなか、ひとり68日間の法戦を闘い抜き、若い部下に未来を託しえた岡田は、妻に「本望である」と語る。そして、その遺書には妻の愛に対する感謝と、家族への心遣い、精いっぱい生きたことへの満足が綴られていた。処刑戦犯1061人。今も正義の名のもとに世界中で続く無差別爆撃への問いかけは重い。
「人生最高の仕事」という藤田まこと、妻温子役の富司純子の抑えた演技が胸をうつ。110分。3月1日から梅田ブルク7、MOVIX京都、神戸国際松竹ほかで公開。 |
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終末を迎えようとする老婦人アンは混濁する意識の中で、枕元で見守る2人の娘たちが知らない男の名を何度も口にし、記憶は40年前にさかのぼっていく。歌手になる夢を抱く24歳のアンは親友ライラの結婚式に招かれ、ロードアイランドの海辺の町を訪れる。そこで出あった運命的な恋と、悲劇的な別れ−。
結ばれなかった愛、果たせなかった夢、完璧な母になれなかった後悔。アンの切ない思い出は、娘たちに自らの人生を見つめ直し、新たな幸せを求める勇気と未来への希望を呼びさましていく。
ラホス・コルタイ監督の「いつか眠りにつく前に」は、人生の一瞬の輝きへの愛惜を描いたスーザン・マイノットのベストセラー小説「EVENING」の映画化。アンをヴァネッサ・レッドグレイヴ(思い出の中はクレア・デインズ)、ライラをメリル・ストリープと2大アカデミー賞女優が競演するうえ、ライラの若き日をメイミー・ガマー、アンの長女をナターシャ・リチャードソンという2組の母娘共演も話題。117分。
2月23日からTOHOシネマズ梅田、敷島シネポップ、TOHOシネマズ二条、三宮シネフェニックスほかで公開。 |
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◆ 映画 敬愛なるベートーヴェン
22・23日、兵庫県立美術館ミュージアムホール(阪神岩屋、JR灘、阪急王子公園)。1824年のウィーン。第九交響曲の初演を4日後に控えたベートーヴェン(エド・ハリス)のアトリエに、作曲家を志す若い女性アンナ(ダイアン・クルーガー)が、譜面を清書するコピストとして現れる。ベテランを期待していたベートーヴェンは激怒するが、徐々に彼女の才能を認め“第九”完成への貴重な支えとなる。そして昼夜を問わない創作活動の中で師弟愛以上の感情が芽生えていく−。
生涯を通して愛を成就させることのなかった孤独な音楽家として知られるベートーヴェンの狂気と純粋さ、苦悩ともろさを、アニエス・ホランド監督が女性ならではの感性で描く。104分。両日とも10時半、13時、15時半の3回上映。1300円(前売り1000円)、シニア1000円。NPO神戸100年映画祭(TEL078・332・7050)主催。 |
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◆ 展示 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展
9日〜3月30日、滋賀県立近代美術館(JR瀬田からバス)。「信・望・愛−理想の居場所をつくる」の副題の通り、近江八幡市を拠点に建築家、実業家として活躍したヴォーリズの軌跡をたどる。米カンザス州に生まれて1905年、25歳で現八幡商高の英語教師として来日。キリスト教教育への反発から2年で解職された後も近江八幡に留まって建築事務所や近江兄弟社を設立。41年に日本国籍を得て一柳米来留と改名し、58年には名誉市民第1号となり64年に没した。関西学院、神戸女学院などの学校建築を始め、教会、商業、民家建築など、伝道者としての信念から合理性と簡素さをめざしつつ日本の風土になじむヴォーリズの建築物は、時代と地域を超えて親しまれている。
建築事務所開設100周年を記念して催される本展では、写真や映像資料、模型などで活動と思想の系譜をたどるほか、軽井沢のヴォーリズ山荘を実物大で再現する。900円(前売り700円)。月曜(祝日の場合は翌日)休館。 |
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◆ 展示 第39回 日展
23日〜3月23日、大阪市立美術館(天王寺公園内)。1907(明治40)年誕生の文展に始まる最大規模の公募展。今回は日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部計1万4678点の応募作品から2377点が入選し、無鑑査作品は752点。大阪展は全国を巡回する基本展示(大家作品と入賞作品)275点に大阪、兵庫、奈良、和歌山の4府県在住作家の入選作品を加え約600点で日本美術の今を展観する。1000円(前売り700円)。月曜休館。 |
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