ニューシニアの必読紙「フロンティアエイジ」
毎月第1水曜日に発行しています。 フロンティアエイジ
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2008年8月号第2面  
元気のヒミツ 市田 ひろみさん(76)
 
年など忘れて人と会う  
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   着物姿が涼やか。背筋をしゃんと伸ばし、口元にはいつも微笑み−−。共に遊び共に学ぶ場所をと、京都御所の近くに建てた町家風の「京遊学舎」でお会いした。「どうしてそんなに元気なのって、よく言われるんですよね。一つは親が元気に産んでくれたから。二つ目はスポーツをしてきたから。そして三つ目、緑茶を飲んできたからって、冗談交じりに話すんです」
市田ひろみさん

 学校を出て会社勤め。女優さんになった。着物教室を開いた。テレビにも出た。そんな時に舞い込んだのがサントリーのお茶のCM。「年齢は40代で左京区辺りに住み、ネアカで庶民的、着物姿が似合う人を探しているとのこと。推薦されたけど私は還暦の60歳。お断りしようと思って、着物教室のあった日なので、小紋の普段着で挨拶に出かけたら「イメージにぴったり」となってしまって・・・」「それまでもカレンダーやポスターのCMと、結構いい仕事をしていたんですが、私の人生がパァーッと開けたのは、あのお茶のCMから。CMは10年も続き、CM大賞までいただきました」

 見込まれたのは、飾り気のない人柄と笑顔にもあったことだろう。その笑顔も両親のお陰という。「私たちの頃の女の子は、学校を出たらお嫁に行く時代。縁談があると近所に聞き合わせがある。「あそこの娘はんは、ご挨拶がちゃんとできて、いつも笑顔のええ娘はんです」と言ってもらえるように、親から厳しくしつけられました」

 美容院や着物教室、本の執筆、講演、テレビ出演などなど多忙な日々。京ことばの読み手となってCD付きの「かるた」も6月に発売した。そんな中、フラダンスと30分ほどの御所の散歩で体調を整える。「結局はたくさんの人と会うのが一番の健康法かもしれません。年をとったからとか、この年では駄目だとか思わないことですね。還暦からが人生、さらに間口が広がるといったことがあるんですから」 (ぶ)
 
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「お気をつけて」の一言  
   土地勘があるように見えるのか、それとも尋ねやすそうな呑気(のんき)な顔をしているのか定かではありませんが、とにかく不思議なほど、よく道を聞かれます。わかる範囲で案内するわけですが、そんな折、別れ際に私が相手の方に必ずかける言葉があります。

 「お気をつけて」 

 実は、それは10年ほど前、私が道に迷って尋ねた時に、とても親切に案内してくださった初老の男性がかけてくださった言葉でもあります。
宇野ひろみさん

 仕事で少々落ち込み気味だったこともあり、やけに胸にしみて、嬉しく感じました。それ以来、私も気に入って使うようになりました。

 先日、70代ぐらいのご婦人に、JR大阪駅構内で声をかけられました。新幹線に乗るため新大阪駅に行きたいのだが、乗り換えがわからないとのこと。口で説明するとややこしそうだったので、目的のホームまでお連れすることにしました。

 時間にすれば5分足らずのことなのですが、その間、大阪市内でひとり暮らしをしている息子さんを訪ねて来たこと、がめ煮(博多では筑前煮をこう呼ぶそうです)を作ってあげたこと、3日間過ごして、今から博多に帰ることなどなど…ニコニコと楽しそうに話してくださいました。

 少しすると電車がホームに入ってきました。何度も何度も深々と頭を下げ、電車に乗り込む御婦人の背中に「お気をつけて」と声をかけると、一瞬驚いた顔で振り返り、そして満面の笑みでおっしゃいました。

 「うれしかねぇー、思いきって尋ねて良かったぁ。あなたも気をつけてねぇー」

 なんだか小学生のころ、先生に褒められた時のような気分になりました。

 道案内の後の「お気をつけて」、なかなか良いものですよ。  (ABCラジオ「おはようパートナー」パーソナリティー 宇野ひろみ)
 
 
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あまみ温泉南天苑(河内長野市)  
 
文化財の和にくつろぐ 涼気と緑満つ伝統の湯と食
   南海高野線の天見駅に降りると空気が違った。ひんやりとして新鮮で甘くさえ感じる。標高約400メートル、金剛生駒紀泉国定公園が迫り、気温は大阪市内より3、4度低め。その涼気の中、「あまみ温泉南天苑」は明治・大正の「歴史空間」を厳然と保っていた。

 あまみ温泉の泉源を唯一守る南天苑は1949(昭和24)年創業だが、木造2階建て数寄屋造りの建物はもともと、13(大正2)年竣工で堺にあった大浜潮湯の別館。34(昭和9)年の室戸台風で倒壊し、翌年ここに移築。明治の建築王と評される辰野金吾(1854〜1919)の設計で、彼としては数少ない和風の作品。5年前に国の有形文化財に登録された。
あまみ温泉南天苑

 地元特産の南天にちなんだ命名の南天苑は、約3000坪の日本庭園に囲まれ、13の客室には季節に合わせて障子、簾戸(すど)、すだれを用い、テレビや冷蔵庫などは違い棚を利用して視線から隠されている。縁側のガラス戸を開けると泉水や懸け橋、灯篭、そして四季の花…。庭に引き込まれた天見川のせせらぎや折々のウグイスのさえずり、カジカの鳴き声、ホタルの乱舞に心を癒される。

 河内の伝統野菜を生かした「山の路点心」、旬の素材を吟味した会席料理は色彩豊かで見た目も楽しく、夏の特別献立「蒸しあわび魯山人風」もいい。肉・魚・和洋野菜など30種を牛乳だしで煮る「金剛鍋」、自家製のカヤ味噌味の「招福鍋」も冬季限定で楽しめる。

 温泉の歴史は約670年前の南北朝時代にさかのぼり、「極楽湯」と称した。今もその名で通る湯につかりながら「楠木正成も入ったのだろうか・・・」。

 高野山に続く「高野街道」脇で見かけたのは軒先まで薪を積み上げた民家。風呂を沸かしご飯を炊くのだそうだ。ゆったりした天見の時の流れが好ましかった。 (鶴)

 ◆メモ 天然ラジウム泉▽神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などに効用▽南海高野線天見駅すぐ。大阪市内から車で60分▽1泊2食1万5750円〜。フロンティアエイジで見たと告げて予約すれば甘味処あまみ庵の飲み物券進呈TEL0721・68・8081。
ASA(朝日新聞販売店)は元気シニアを応援します。
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