ニューシニアの情報新聞「フォロンティアエイジ」2月プレミアム号
フロンティアエイジ
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インカの謎訪ね ペルー感動の旅
 
 
 
空中都市は息のむ絶景  
   世界遺産の秘境「マチュピチュ遺跡」を訪ね、「ナスカ地上絵」も空から見たい…。長く憧れていたペルーへの旅が6月初め実現した。富山の高校時代の同期生が集い、夫婦組も入れて13人の平均年齢65歳。何人かは高山病に悩まされもしたが、インカ文明の栄光と悲劇の歴史をたどる9泊10日の旅は鮮烈な印象だった。(石崎 勝義)  
 
マチュピチュ
  成田から12時間飛んだヒューストンで乗り換えて6時間。地球の裏側はさすがに遠い。首都リマで泊って翌朝は「ナスカ地上絵」を空から観光。444キロ離れた小さな空港に10人乗りと4人乗りの小型機が待っていた。揺れがきつい不安もあったが、小回りがきいて迫力も味わえそうな4人乗りを選んだ。

 紀元前2〜9世紀にかけて栄えたナスカ文化。広大な大平原に300以上の直線を引き、三角形の図形、動物、魚、虫、植物などの絵を描いた。なぜ? いまだ謎のままで、宇宙人説、空飛ぶ人間説などなど。半生をかけて謎に挑んだドイツの数学者マリア・ライヘは、線が太陽、月、星の軌道、絵がナスカの神だった星座を意味しているという説だ。ハチドリ、コンドル、ペリカン、クモ、猿、鯨など約20種類。フライトは2時間。天候に恵まれ鮮明に見えたが、カメラに収めるのは難しかった。
 
 
葦の島巡り民宿も体験  
 
 

 古都クスコ(標高3399メートル)に泊まった翌朝、旅の最大の目的地、列車で2時間の秘境・空中都市「マチュピチュ遺跡」へ。駅に着くとクスコより標高が1400メートルも低いおかげで、前夜は酸素吸入のお世話になった人もすっかり元気に。山道をしばらく歩くといきなり目の前がひらけ、絶景が飛び込んできた。観光案内書でお馴染みの風景だが「すごいなあ」と歓声があがる。真正面に小高い山、石垣に仕切られた見渡す限りの段々畑。「神聖な広場」に群がる観光客の姿が小さく見える。

クスコのアルマス広場。チチカカ湖

  眺めを楽しんだ後は列を作って見学。水路が斜面に沿って導かれ、所々に水汲み場がある。水は遠く山のかなたから、石の溝を流れてくる。インカは水利土木の技術に優れていた。「太陽の神殿」「王女の宮殿」「三つの窓の神殿」…。見張り小屋から山の斜面に見える「インカ道」は、国中に張り巡らされていたという。
 11世紀末以降コロンビアからチリまで約4000キロにわたり繁栄を誇ったインカ帝国は1532年、財宝(エル・ドラード)を求めて侵略してきたピサロ率いるスペイン軍に滅ぼされてしまう。その時にも気づかれず残ったのがマチュピチュ。長くジャングルに埋もれていたのを1911年、米国の探険家ハイラム・ビンガムが発見した。

 「チチカカ湖」は標高3855メートル、汽船が行き交う湖としては世界で最も高い所にある。湖岸の都市プーノに泊まり、翌日は船で先住民の住む島々の観光。その中にはトトラと呼ばれる葦を積み重ねた「浮島」が6畳程度の小島から350人が住むものまで40ほど。その一つウル族の住むウロス島を訪れ、葦舟でぐるりと回った後は、アマンタニ島で民宿。ここは土の島で、夜には村の集会所で焚き火を囲んで歓迎のダンスショー。ポンチョなどの民族衣装をつけて参加し、村人とともに踊った。深夜、トイレに起きたときの満天の星空は息をのむほど。南十字星の輝きがひときわ鮮やかだった。

 仲間の一人が元職を生かし、旅行社に頼らずアレンジした旅。一味違ったうえに旅費も安く上り大好評。

 帰途は再び首都リマへ。人口800万人もの大都市。1997年4月、武装警察突入で解決した衝撃的な日本大使公邸占拠事件の跡地見学もあったが、当時大統領だった日系のフジモリ氏は今、拘留、裁判中の身。貧富の差の拡大など、ペルーの複雑な政治情勢については触れないでおこう。

 
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