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渡来文化の湖東 |
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日差しも強まって、水恋しくなる季節。車で渡来人ゆかりの歴史遺産巡りに出た。行く先は渡来文化の地、琵琶湖東部。2社2寺と、名水を含む4カ所の湧き水を訪ねようという欲ばり旅だ。 (高橋 徹) |
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まず向かったのは湖南市の善水寺。その名からもうかがえるように名水伝説が残る寺。境内にある「善水」は、地学の専門家集団・湧き水サーベイ関西(柴山元彦代表=大阪)と本紙が選定した「恵みの水88カ所」の「84番」に選ばれている。 平安時代初期、病の桓武天皇に、天台宗の開祖最澄が境内に湧く水を献上し、治癒したことから「善水寺」の号を賜ったという。草創は古く奈良時代初期で、当初は和銅寺といった。
元明天皇の勅願寺だが、建立には付近に住む渡来人たちの力があったと思われる。渡来氏族出身の最澄が、この寺に深い関わりをもち、桓武天皇の病気平癒を祈願したのも故ないことではない。桓武天皇もまた渡来人の血を引くことは、周知の話だ。
南北朝時代に建立された同寺の桧皮葺本堂は国宝。安置する30余体の仏像のうち本尊の薬師如来をはじめ15体が重要文化財。湖東の古刹は織田信長によって徹底的に破壊されただけに、よくこれらの仏像が残ったものだと思った。
善水寺を後にし、国道1号から日野水口道路を経て日野町小野の鬼室(きしつ)神社へ。滅亡した百済の復興を図った武将・鬼室福信(?〜663)の子で、亡命して天智天皇の下で高官となった鬼室集斯の墓とされるものが境内にある。
小野の集落は東に鈴鹿山脈の竜王山(826メートル)を仰ぎ見る山里。以前に訪れた時は道が狭く、対向車が来ないよう願いながら走ったことを思い出した。あれから10年余。2車線の広域農道が、集落の西に完成したばかりだった。神社への参道脇に立つ説明板には、福信将軍をまつる神堂のある韓国扶余郡恩山面と交流がある、と日本語とハングルで記されていた。
鬼室神社から東近江市の石塔(いしどう)寺に向かう。どの道も交通量は少なく、道順を知っていれば10数分で到着する距離だが、走るのに魅力的な広域農道に車を乗り入れて余分な時間を使い、到着は昼前になった。
百済式石塔のある石塔寺は、聖徳太子が仏教興隆のために建立した48寺の満願寺で、元の名前は本願成就寺だったが、本堂裏山の石塔(重文)が有名になって現在の名になった。入山料を収めて158段の階段を上る。数多の五輪塔に囲まれて立つ三重の石塔に心を打たれた。
「扶余の定林寺と似ています」。少し遅れて上ってきた若い男性が仲間に説明を始めた。先ほど駐車場で「こんにちは」と声をかけてきた韓国からの留学生だ。寺ではアショカ王に関係する8万4000仏舎利塔のひとつとしてまつっているが、同様の石塔が百済の故地に残っており、ここのも渡来人が建てたことは間違いないようだ。
湖東は他にも百済寺という古刹があり、百済文化が色濃く残る地だが、実は新羅文化ゆかりの場所もある。その代表格、竜王町鏡の鏡神社に向かう途中で昼食をとり、同市五個荘清水鼻町にある「清水鼻の名水」に立ち寄る。旧中山道沿いにあり、旅人たちの喉を潤した名水。「恵みの水83番」だ。さらに同市北須田町の繖(きぬがさ)トンネル水や、近江八幡市金剛寺町の湧き水にも寄り、鏡神社に着いたのは3時半だった。国道8号をはさんで道の駅「かがみの里」の北にある鏡地区の氏神である。
祭神は兵庫・出石神社と同じ新羅の王子のアメノヒボコ。『日本書紀』は、出石に落ち着くまで、各地を転々としたと記す。鏡の里には、供をしてきた医師や弓削師、鏡作師などの技術者が定住したと伝わる。新しい掲示板の由緒書きに「万葉歌人の額田王や鏡女王も所縁の人」とあった。
境内にはためく「源義経元服の地」ののぼり。1174(承安4)年、鞍馬を出た牛若丸がここで元服し、源氏再興を祈願したのだという。渡来文化に関わりのある神社を訪ねて義経に出あう。今回も望外の旅になった。 |
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恵みの水と社寺訪ねる40人を募集 |
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今年初の「恵みの水」巡礼ウオークは7月17日、このページで紹介している琵琶湖東部を訪ねます。木々の緑が濃さを増す山里、水田地帯に残る古代の文化遺産を名水と併せてお楽しみ下さい。
8時集合で、大阪駅前から貸し切りバスで出発。善水寺(湖南市岩根)、鏡神社(竜王町鏡)、清水鼻の名水(東近江市五個荘清水鼻町)、石塔寺(東近江市石塔町)、金剛寺の湧き水(近江八幡市金剛寺町)、鬼室神社(日野町小野)などを巡り、夕刻に帰阪します。
同行解説は湧き水サーベイのスタッフ3人と本紙の高橋徹編集委員。昼食は近江八幡休暇村で近江鶏すき焼きと旬の味覚の伊吹コースです。食事・入山料込み料金1万3000円。定員は先着40人。申し込みは日興トラベル大阪営業所TEL0120・039・253へ。 |
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