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| 野菜工場と屋上緑化。暮らしの中の新しい「緑」の特集です。野菜工場は清浄が絶対条件ですから見学はできませんが、屋上緑化の方はお出かけ自由のスペースです。 |
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| レタスなど年産650万株 |
増床して国内最大の規模に |
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野菜栽培ベンチャーのスプレッド(本社京都市・稲田信二社長)が、4月1日から亀岡市余部町の同社亀岡プラントを増床。生産量を従来の3倍とする態勢を整え、、蛍光灯と養液によるハイテク野菜工場では日本一の規模になった。
スプレッドは06年1月に設立。亀岡の野菜工場からフリルレタス、モコレタス、ロメインレタス、サンチュ、水菜の5種類の野菜を関西圏に出荷してきた。天候に左右されない安定供給、無農薬という安心感から好評で、今後は東京、名古屋をはじめ全国に展開していく。
その野菜工場は京都縦貫道・亀岡インター近くの国道9号沿いにある。かまぼこ形の倉庫のようなクリーム色のビルで4階建てで敷地約5000平方メートル。亀岡を選んだのはもともと農業が盛んで水質が優れているからだそうだ。
野菜工場は古い形の農業からはほど遠い。見学した工場は長さ約20メートルの3段の野菜棚が整然と並び、栽培面積は延べ約1万平方メートル。蛍光灯の白い光を浴びた柔らかそうな緑色のレタスが一株ずつ、規則正しく並んで育っている。外部から完全に閉鎖された清浄化工場で、光源の蛍光灯と培養液を使う水耕栽培。バイオテクノロジー、照明、エネルギー、エレクトロニクス、ITなどの技術を取り入れた新しい野菜生産システムで、葉もの野菜に必要な照度、日長、風、温度、湿度、液温、pH、CO2などはコンピューターで管理されている。露地野菜だと年1、2回の収穫だが、工場では45日周期で年間8回ほど収穫できる。
ガラス越しに青々と育ったレタスを見ながら広報担当の吉田満さん(35)が「ここのレタスは45日ほどで食べごろに成長します。深夜電力を活用して栽培コストを抑えるうえ、受注販売で安定供給し、レストランなどで喜んでもらっています」と説明してくれた。
スプレッドの工場野菜は「べジタス」というブランド名で売り出されている。露地ものに比べると値段は1割ほど高めだが@気候などに左右されずに安定供給でき、価格も安定しているA品質にむらがないB無農薬で安心、などの利点があげられる。
実は昨年から市民農園を借りて野菜づくりに挑戦し、虫害には大いに悩まされている。ところがここは完全密閉、無菌状態なので虫問題とは無縁。したがって農薬も不要なのだという。
いいことずくめのようだが、工場製野菜に注文をつける声もないわけではない。「旬」というものがなく、野菜特有の苦みやえぐみも少ないし、歯ごたえも一定。だから「自然の恵みを感じる文化が失われるのでは」などという指摘だ。
3月までの生産量は1日6000株、年間で200万株。これを社員7人で管理し、収穫期にはアルバイトを動員してきた。新工場は従来の工場の隣に建設され、4月からは収穫量が3倍の日量1万8000株に増え、フル稼働時で年650万株の生産能力を備えた。品目もレタス類にルッコラとデトロイトが加わり、計7種になった。 (邦) |
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| ビルだって壁面だって |
木を育て花咲かす驚きの枝 |
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30年近く土壌の改良や緑化のための資材の技術開発を行い、屋上に壁面に路面にと多様な形の緑を次々に創造している東邦レオ(本社・大阪市中央区上町)を訪ねた。
緑化本部の神木直哉さん(37)によると、東邦レオは建築関連の開発設計施工事業を40年間展開し、25年前からは造園・園芸・緑化・土木などの「緑」に関する事業部をスタートした。
近年、地球温暖化対策のCO2削減やヒートアイランド対策として屋上の緑化が各都市で条例化され、その動きが加速しているが、東邦レオではそれ以前から様々な開発を手がけてきた。
建物への荷重を軽減できる軽量人工土「ビバソイル」を使ったシステム、どんな所にも樹木を植え込める地下支柱。さらに嵩(かさ)上げ材、灌水システムなど、建築資材での技術蓄積が生きる。新築だけでなく既存のビルも、後付けで屋上の景観は大きく変化する。病院では患者の癒しやリハビリの場となり、商業施設では集客力のアップにつながるうえ、電気代が安くなる省エネ効果も出ているという。
関東での施工が多いが、関西ではJR難波駅再開発計画の一環として1996年に開業した大阪シティエアターミナル(OCAT)の6階屋上と、2007年4月に屋上公園が完成した南海難波駅のなんばパークスに例を見ることができる。OCATでは芝生広場で気持ちよさそうに寝ころぶ家族連れ、木々の間や香りの小径などを散策する人々など、思い思いに過ごしている。
なんばパークスをガーデンスタッフの案内(1週間前までにTEL06・6647・0092へ予約のうえ14〜15時、1000円)でまわってみた。平面のOCATに対し、パークスは流線型の段丘を四季ごとに300種類7万株の草木が彩る。2階から9階までゆっくり歩きながら、花の名前や見どころ、真夏の水やりの苦労話などを聞いた。小径にはアジサイが咲き、クチナシが甘い香りを漂わす。
両園ともみずみずしく咲く花や、5〜6メートルはありそうな木々が、直径10センチ以上はある太い幹から生き生きと枝を広げている様子に改めて驚く。行き届いたメンテナンス以前に、荷重や水まわりの基礎工事がきっちりと行われているから屋上でも育てられるのだと納得した。
壁面緑化では東大阪市にある近畿大学南東門正面の立体駐車場が代表格。味気ない鉄骨組みを、縦の線を生かした茶色の板と緑の植え込みで覆い、壁面全体が大きな一枚の絵のような印象を与える。ヤブランやツワブキなどの植物と土壌が入った15センチ角の小型プランター「ピクセルポット」を積み重ねている。
鹿児島市では路面電車が芝で覆ったグリーンベルトの軌道敷を走っている。これも東邦レオが手がけた。その様子を撮った写真を「冷却効果だけでなく、景色としていいでしょ。ほれぼれしませんか」と見せてくれた神木さん。いま関西でも計画中という。東邦レオの緑の創出はまだまだ続きそうだ。 (養)
東邦レオ(株)大阪事務所TEL06・6767・1110。 |
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| 大温室に鈴なりトマト |
ハイテク管理にハチの援軍 |
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加太菜園(従業員約140人)は和歌山市加太にある。羽布津真典社長(24)に案内され、まずは見学者用の白いコートを着た後、両手に消毒用の塩素液を噴射、次に囲いの中で空気の強い噴射を浴び、微細な塵まで吹き飛ばして再び掌にアルコール液を噴射、これでようやく、生食用トマト工場(グリーンハウス)へのドアを開けてもらった。
中央を走る奥行き250メートルの作業車道を挟んで左右へ各100メートル、椰子ガラを詰めた畝(培地)が縞目になって160列ずつ並び、トマトを水耕栽培している。広さ5.2ヘクタールのガラス張り温室は軒高が5.8<メートルもある。
茎の高さはそれぞれ3メートルほど。左の畑は青いミニトマトが1茎に7〜8房(1房10〜12個)ずつ実を付け、右の畑はゴルフボールよりやや大き目で味の濃い「こくみトマト」がやはり7〜8房(1房5〜6個)ずつ真っ赤な実をつけている。みごとな眺めだ。上方の房はまだ開花の状態だが、それが実る頃には作業員たちが不要な葉を落とし、実の無くなった下の茎は下ろして畝の横へ這わせる。
化学肥料などの水溶液注入と室温維持(冬季でセ氏17度)で開花・結実・収穫を年間10カ月にわたって展開、年間収穫量は1500トン前後に達する。一部は地元の量販店に卸されるが、ほとんどは首都圏へ送られるという。
温室内の温度・湿度・灌水などはコンピューターで制御され、生物を利用した農薬を増やして化学合成農薬の使用量を減らしている。室温維持のための温水は天然ガスを焚くが、炭酸ガス(CO2)は葉の光合成用に温室内に戻す。椰子ガラ培土から漏れた肥料水溶液は紫外線殺菌してリサイクルする。また切り落とした葉は堆肥の原料になる。ここでは、地球環境を浄化するための様々な工夫が凝らされている。
受粉に欠かせないハチが飛んでいた。「ミツバチではないんです、トマトの花には蜜がありませんから。オランダ育ちの女王バチが産んだクロマルハナバチといって、蜜の代わりに花粉を求めて飛ぶんです」と羽布津さんが教えてくれた。
親会社のカゴメ株式会社がトマトジュースなどを売り出していることもあって、10年前から生食用トマトの栽培に乗り出した。しかし日本列島の地理的、気象的条件はトマト栽培に最も重要な日照時間から推して露地栽培では経営効率がよくない。そこで約40年前から野菜(根菜類を除く)の水耕栽培を広げているオランダに学ぶこととし、自然環境を勘案のうえ福島県・いわき、広島県・世羅、福岡県・響灘と共に加太が栽培地に選ばれ、04年に加太菜園を設立した。
羽布津社長は「トマトは生活習慣病のリスクを下げます。加太のトマトはおいしくて真っ赤で粒ぞろい。商品価値は高いと思っています」と将来性を信じている。 (崎) |
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