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| ゴミは邪魔物でなく貴重な資源。市民の意識を変える試みを、各地の処理工場で探ってみたら・・・ |
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| 分ければ資源を体感 |
ガラスや木工 市民工房6種 |
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万博公園に隣接した吹田市資源リサイクルセンターはゴミ問題を通して地球を考える文化センター。市内で集めたゴミを処分する破砕選別工場(1〜3階)とゴミの減量・再生を考えるくるくるプラザ(4〜5階)の複合施設になっている。
プラザのスローガンは「まぜればゴミ、分ければ資源」。ゴミを出さない工夫、再使用する工夫、再生利用する工夫を、いっしょに考えていこうと呼びかけ、ゴミで様々な作品をつくる市民工房の活動を続けている。
吹田市は人口35万人で、08年度のゴミ排出量11万7600トン。経済情勢の悪化に伴う消費の低迷を映し、ゴミ処理をめぐる問題はここ数年、減少の傾向にはあるが、さらなる二酸化炭素排出量の規制、地球環境への負荷低減をはからねばならない時代。ゴミ工場はもう嫌われものの施設ではなく、ここの場合は万博公園、国立民族学博物館にも近い都心の気軽な文化施設だ。
くるくるプラザには市民工房、研究室、講義室、図書室、展示室などがあり、循環型社会づくりをめざして(財)千里リサイクルプラザが運営。自主事業の中心は六つの市民工房で、学ぶ人や見学者を合わせて年間1万数千人が訪れ、体験と実践の教室が開かれている。
ガラス工芸教室では廃棄物として収集された焼酎、ワイン、酢の3種類の色の違う瓶を溶かし、吹きガラスの作品を作る。コップ、ぐいのみなどの基礎コースから鉢、花瓶、マグカップなどの本科コースまである。バーナーワーク教室ではガラス棒を溶かしイヤリングやペンダントづくり、花模様のガラス粒をつかうフュージングも主婦や若者に人気だ。講師から親切に教えてもらえる親子体験、初心者半日体験、基礎・本科コース(6〜8回)などがあり、受講料は500円〜1万8千円。安い受講料でアーティスト気分を味わいながら、エコにも貢献できるわけだ。
木工教室はゴミとして捨てられた木製家具を補修・再生し、廃材で5月人形やミニチュア家具などを作る。ほかに分別収集の牛乳パックからおしゃれなはがきやしおりをつくる紙すき教室、茶碗や湯飲み、皿などをつくる陶芸教室、タオルやバッグ、枕カバーなどを草木染する染物教室。衣類のリフォーム教室では端布で草履や帽子などをつくるアイデアも習える。ペットボトルで万華鏡をつくる親子講座もある。シニア中心の指導員、講師はいま46人。報酬は1日6000円という。
ゴミ減量とリサイクルについての市民研究員制度もあり、研究結果を公民館や学校などで発表する出前講座も好評。小・中・高校生が交流する環境学習発表会は今年で11回目。フリーマーケット、リフォームファッションショー、再生家具や自転車の販売、あげます・もらいますコーナーの常設など、プラザは市民のお祭り広場でもある。 (邦)
◆市民工房の問い合わせはくるくるプラザ(TEL06・6877・5300)。 |
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| 再生の意識高めたい |
運営を支えるボランティア |
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神戸市の資源リサイクルセンターの実績は国内有数と聞き、西区にある処理工場を見学した。04年に完成し、市民から出されるスチール缶183トン、アルミ缶106トンなど月平均632トン(08年度)の缶・瓶・ペットボトルを一括処理して再利用の資源に生まれ変わらせている。「こうべ環境未来館」が併設され、市民に環境への意識を高めてもらう取り組みもしている。
最先端の技術で自動化されており、異物などを取り除く工程以外は、工場に人の姿がほとんど見られない。スチール缶、アルミ缶、ガラス瓶、ペットボトルなどが磁力や渦電流の反発力を利用して選別され、瓶はさらに無色、茶色などに色分けされて細かく破砕、新たな製品になるための資源に生まれ変わっていく。処理の仕組みは「未来館」の展示で理解できる。
その「未来館」に入るとすぐ、天井からずらりと吊るされたTシャツに迎えられ、1枚のTシャツが1.5リットルのペットボトル1本半から作られていることを学べる。1階フロアには様々なゴミと6個の箱が置かれ、神戸市が推進する“6分別”を実習体験できるようになっている。市内3分の1の小学校が4年生の学習に組み込むなど、子供の頃から環境への意識を持ってもらうための取り組みがされている。
「未来館」の運営にあたるのはNPO法人「社会還元センター グループわ」のメンバー。責任者の山口俊雄さん(70)ら15人が工場や館内の案内などを受け持ち、平均年齢71歳。全員が神戸市シルバーカレッジ卒業生で、ボランティアでの活動という。昨年は1万4800人の見学者を案内したが、最近は韓国や中国からの視察が多いという。
自転車や家具は修理されて安い値段で販売されるが、収入より「物を大事にという意識、リサイクル、環境への理解を促すのが目的」。この日も13台の自転車、7本の家具が抽選を待っていた。「わ」のメンバーはリサイクルセンター以外でも活動しており、老後の生きがい、ボランティアを超えて「しっかり業務を遂行」という印象。「行政の仕事は今後、こういった人々が支えるようになるのではないか」という山口さんの言葉には、5年間の実績の重みがあった。 (出)
◆未来館は神戸電鉄「木津」駅すぐ。原則水曜休館。TEL078・995・3196。 |
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| 発電もするお伽の国 |
高温で焼いて6.6%まで減量 |
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大阪・舞洲(まいしま)でバスを降り、7階建ての建物に息を呑んだ。白色系の壁面は線や市松模様が縦横に施され、赤・黄色の太い縦縞が目立つ。屋上には金色に輝く大きな玉が幾つも。絵本のお伽(とぎ)の国へ来たようで、大阪市環境局が2001年に建てたゴミ処理施設とはとても思えない。傍らに立つ巨大な塔も金の玉を乗せ、手描きのような赤い線が下まで伸びてお伽の国ムードを高めるが、実は高さ120メートルの煙突だ。
オーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(2000年没)のデザイン。「ゴミのない社会」を提唱して環境保護建築で知られ、舞洲では「技術・自然保護・芸術の調和」を目指した。
職員の樋口恵一さん(61)の案内でまず焼却施設へ。収集車がゴミを投下するピットは幅44メートルで奥行き17メートル。恐る恐る見下ろすと、44メートル下で直径5.7メートルのクレーンが作動中。スケールの巨大さに驚き、見学の小学生たちは例外なく大騒ぎする。焼却炉の燃焼ガスの温度は850〜950度。ダイオキシンも処理され、ゴミは15分の1(6.6%)にまで減って灰ピットへ送られる。
残熱利用の効果も大きい。ボイラーで得た蒸気で発電し、工場で必要な電力すべてを賄ったうえ、余分は電力会社に売る。発電の仕組みを教える手回し自家発電機もあり、クランクを回す役が奪い合いになる人気。
粗大ゴミ処理場ではリサイクルできるゴミを探し、自転車など不燃性ゴミの処理場では超強力な破砕機が回る。78個ある専用カッターは1個12万〜14万円。最近はその修理を自前で済ませる。樋口さんは「経費節減です」という。工場の頭脳である集中制御室にも遊び心が漂う。天井や壁は青空のように塗られ、制御盤は雲のイメージになっている。
大阪湾のこの一帯では、発掘すると鎌倉時代の生活をしのばせる井戸が現れたり、壷や陶器破片などが出土する。これらの展示場もあり、足を止める人が多い。渡り廊下から、建物に添うように緩やかに上り下りする庭園に出ると緑がいっぱい。北方に同じフンデルトヴァッサーがデザインした汚泥集中処理施設スラッジセンターの塔が見えた。
廊下に見学者からの礼状が貼られていた。「ゴミを焼く熱で発電するなんて知らんかった」という小学生。「子どもに勧められて来て驚きました」という父母。韓国や中国、タイからのはがきもあり、昨年4月以来、見学者は約1万5000人に達する。(崎)
◆見学は原則月〜土曜で要予約。TEL06・6463・4153(舞洲工場)。 |
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| 地域環境を守る拠点に |
菊炭に光当てフルマも開催 |
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端切れや壊れた茶碗など、捨てればゴミとなる物からアートや小物が出来ます―そんなうたい文句のゴミ処理施設が北摂にあると聞き、車を走らせた。阪神高速池田線の終点・池田木部で降り、一庫(ひとくら)ダム入り口の交差点を右折して数分。笹ケ谷トンネルを抜けると、左側の山腹に目当ての「国崎クリーンセンター」が見えてきた。
兵庫県の川西市と猪名川町、大阪府の能勢町と豊能町に住む計23万人の合同ゴミ処理施設で、川西市国崎に昨春オープンした。甲子園球場の9倍弱、約33.8ヘクタールの敷地に焼却施設棟とリサイクルプラザ棟が立ち、広いグラウンドがある。リサイクルプラザ棟内にある「環境楽習館(がくしゅうかん)ゆめほたる」のスタッフ、大西蘭子さんに案内してもらった。
着物のリメイク、壊れたカップなどを使ったモザイクアート、廃油使用のキャンドルづくりなどの教室を開いている。里山に囲まれている環境を生かし、ドングリや木のツル、ワラを利用した工作や地元主婦指導の味噌づくりなどもある。
訪れた日には、この地の名産「菊炭」を利用した講習会が開かれていた。菊炭はクヌギが原料で、断面が菊の文様に見えることから名付けられ「池田炭」とも呼ばれる。指導は菊炭を使った工芸品を創作する川西市のグループ「池田炭加工処(どころ)」=代表・植杉軍市さん=のメンバー。
その一つがミニ盆栽作り。直径7、8センチの炭に彫刻刀で中空を作って土を詰め、ナンテンや松のミニ苗木を植えて最後にコケで土を覆う。30分ほどで出来上がる。受講者たちは細かい指導を受けながら彫刻刀などを使い、壊れやすい炭と楽しそうに取り組んでいた。そのほか炭3本を俵状に包んで和紙で巻き、炭断面の表情をいかした飾り物や、炭5個を紐でつなぎ、断面に金粉を蒔いた作品などにも取り組んでいた。
大西さんによると、味噌づくり(定員20人)は毎回満席になり、月に2回開くトンボ玉教室(定員5人)は、3月まで予約で埋まっているほどの人気だそうだ。欠けたコップ、茶碗などを「金(きん)継ぎ」という技法で再生する講習会も開きたいと、1月初めには再生茶碗を使った「エコ茶会」を開いてデモンストレーションした。
3月7日には10時からフリーマーケットを催す(出店者を募集中)。「フロンティアエイジ」紙面持参の来場者には、午前と午後の2回、それぞれ50人限定で能勢酒造製造の「桜川サイダー」がプレゼントされる。4月からはゴミ減量をめざす講演会や再生紙を使った収納ボックス作りなどがある。出店の問い合わせなどは環境楽習館ゆめほたる(TEL072・735・7282)へ。原則・月曜休館。 (ん) |
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