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奥大山、吾妻山ロッジ、帝釈峡、蒜山高原、大久野島、瀬戸内東予、讃岐五色台―中国・四国にある七「休暇村」が、オールインクルーシブ(飲食、施設利用料込み)の長期連泊プランを来年3月末まで合同で実施中。3泊9食2万7300円(平日)のお得さにひかれて四つの宿を訪れてみた。 |
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休暇村の本館は海のそばにある。行き交う船を窓辺からのんびりながめていれば時の経過も忘れる。「何もせずに連泊するのもいいものですよ」と支配人の義本英也さん。
そうはいわれたものの、周囲4.3キロの島を歩きはじめると、あちこちでウサギと出あう。小学校で飼われていたアナウサギ8匹が39年前に放されて野生化したといわれ今では約300匹に。島は別名「ウサギの楽園」だ。
桟橋近くから標高約百メートルの山頂にある展望台に向かうと、島の別の顔が見えてくる。コンクリートとレンガの廃虚は、日露戦争に備えて明治30年代に設置された砲台跡。今も3カ所に残る。
展望台で360度パノラマの多島美を楽しんで下ると、今度は毒ガスの貯蔵庫跡が姿を見せる。島には1929(昭和4)年から45年の終戦まで旧陸軍の毒ガス工場があった。内壁が黒く焦げているのは終戦後、米軍が火炎放射器で焼き払って処分したことを物語る。
約1時間半の歩きのあと本館のラドン温泉でさっぱりする。食事は朝、夕ともバイキング。刺し身や郷土料理「いぎす豆腐」などは小鉢で置かれ、天ぷらは目の前で揚げてくれる。野菜は地元の契約農家から届く。竹原の地酒も飲める。やはり「地産地消」メニューに手が伸びる。このバイキングが好評で、これで5回目という広島市の男性(86)は「自分の食べたいものが食べられる」。
休暇村大久野島は財布を気にせず過ごせるオールインクルーシブ連泊プランに力を入れ、3泊目からの食事にはバイキングのほかに1品がつき、10泊以上になると1泊あたりの単価がさらにお得になる。滞在型の長期泊は中高年に人気のようで、30泊プラン(19万8千円)で滞在中の福山市の男性(84)は「毎朝の島内の散歩が楽しみ。退屈しない」という。
本館近くに22年前に開設された毒ガス資料館がある。翌日訪れ、防毒マスクなど「負の歴史」の展示に息をのんだ。穏やかな海と愛くるしいウサギに癒されながら、戦跡を見つめて近現代史をたどる。改めて平和をかみしめる機会を連泊の旅は与えてくれた。(安)
◆メモ 山陽新幹線三原駅から呉線忠海駅で下車、忠海港から船で約12分。車なら山陽自動車道河内ICから国道432号、185号経由で忠海港無料駐車場。島には車の乗り入れ原則禁止。年末年始は連泊プラン除外日。休暇村TEL0846・26・0321。 |
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大山隠岐国立公園の休暇村蒜山(ひるぜん)高原は標高500メートルにあり、秋の紅葉、冬のスキー、そして新緑から避暑へと四季を通じて豊かな自然を楽しめ、旬の料理を味わえる。「天然温泉もあり、お年寄りから若い方、家族連れまでご満足いただけるお宿です」と営業係長の松尾太郎さん(31)。
眼前に広がる上、中、下の蒜山三座は新日本百名山のひとつ。体力に自信があれば三座縦走(10キロ約7時間)、お手ごろなら中蒜山(1122メートル)への「いい夫婦」登山がおすすめ。登山口に名水百選の「塩釜冷泉」があり、水筒に詰めて往復約4時間、山頂から眺める高原は雄大で日本海側の伯耆大山も美しい。
秋の高原にはサイクリングが似合う。1周約30キロの専用道をのんびり走ると爽快。自転車50台に加え電動アシスト式も10台導入された。道路沿いに酪農農業協同組合直営の「ジャージーランド」や乗馬を体験できる「蒜山ホースパーク」、蒜山郷土博物館などもある。
人気の新スポットは車で30分の新庄村にある「森林セラピー基地」。ブナの原生林に約2キロ、落ち葉や木材チップが敷き詰められた林道はマイナスイオンいっぱい。専任ガイドが案内してくれる森林浴は、ブナの木に聴診器をあて、中で水が流れるような「不思議な音」も聴けるなど、楽しい「癒しの森」の散策だ。
疲れたら休暇村自慢の天然ラドン温泉へ。よくあたたまり、リウマチ性疾患や筋肉痛、冷え性、疲労回復にいいという。夕食は「旬彩バイキング」。地元の青大豆、高原野菜や山菜、川女魚(かわめ)や山陰の漁港や瀬戸内からの海の幸などメニューは50種に及ぶ。地元の山ブドウを使ったワインも好評。昼食に出た「蒜山おこわ」や売り出し中のB級グルメ「ひるぜん焼きそば」も楽しめた。(森)
◆メモ 大阪・梅田から高速バスで米子自動車道江府ICまで約3時間、江府から送迎(要予約)。車なら米子自動車道蒜山ICから。23日〜11月7日と年末年始は連泊プラン除外日。休暇村TEL0867・66・2501。 |
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海抜60メートルの高台にある休暇村本館の玄関をくぐると眼前に瀬戸の海。3階の大浴場からは眼下の遠浅の海岸から遠くの石鎚山まで一望でき、三分の一は露天形式。下の林から虫の音が聞こえてきた。
愛媛県の道後(松山市)、鈍川(今治市)、本谷(西条市)を伊予三湯と呼ぶ。休暇村の湯は、その本谷の湯を12キロものパイプで引く無色透明の冷鉱泉だ。姫路市からの女性(72)は温泉目当てに年に2回は訪れるという。
どの部屋からも瀬戸の島々が見渡せる。手前には「日本の渚百選」に選ばれた桜井海岸の砂浜が続く。歩いてみると足裏に砂の感覚が心地よく、足跡がくっきり残っていく。夕食はバイキング形式。鯛など瀬戸内の魚料理が自慢で地ビールや地酒もいける。
休暇村から西に行けば今治、松山。東へ車で約30分走れば地下水の自噴井「うちぬき」で知られる水の都・西条の市街地。石鎚連峰が源流の「うちぬき」は市内に約2千本。水めぐりマップもある。自転車をとめて水を飲んでいた女性(72)の家はすべて地下水で賄うといい「この水で炊くとご飯もおいしい」。休暇村のラウンジも「うちぬき」の水でコーヒーを沸かす。
JR伊予西条駅東隣には07年完成の四国鉄道文化館。0系新幹線とディーゼル機関車「DF501」を展示、運転台に座れることで子供やファンに人気のようだ。休暇村への帰りに寄った本谷温泉は山間に一軒だけで入浴料300円。露天風呂で「森の泉」の風情に浸り、休暇村でまた展望風呂から海を眺める至福を味わった。(俊)
◆ メモ JR壬生川駅から送迎バス(要予約)約15分、今治駅からバス約35分。車なら今治小松自動車道今治湯ノ浦ICか、しまなみ海道今治ICから。年末年始は連泊プラン除外日。休暇村TEL0898・48・0311。 |
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帝釈(たいしゃく)川が長い歳月をかけカルスト台地(石灰岩地形)を浸食して作り上げた約20キロの峡谷「帝釈峡」。比婆道後帝釈国定公園の休暇村は、そのほぼ中央にある。
約70ヘクタールの広々とした園地と森に囲まれ、コテージやキャンプ場、体育館のほか、いま人気のグラウンドゴルフの公認コースも整備されている。「大会を開けるので、愛好家の利用も増えています」と営業課長の志方哲也さん(36)。
観光の人気スポットは上帝釈峡散策だ。せせらぎを聴きながらマイナスイオンいっぱいの遊歩道は片道約1.8キロ、40分のコース。清流をまたぐ巨大な石灰岩の橋「雄橋(おんばし)」は必見。長さ90メートル、幅18メートル、川床からの高さ40メートル。日本最大の天然橋といわれ、国の天然記念物に指定されている。鍾乳洞を代表する白雲洞(有料)や「鬼の唐門」「鬼の供養塔」などの奇勝、奇岩も沿道にある。入り口まで休暇村が送迎してくれる。
「秋の紅葉シーズンは最高ですよ。遊歩道の渓谷は真っ黄色、上流の帝釈天永明寺は真っ赤に染まります」と、入り口の駐車場で食堂を営む藤井好恵さん(56)。帝釈峡一帯の植物や歴史にくわしく、四季の山野草をおさめた写真集を手に観光客をもてなしてくれる。
城下町の風情が残る地元・東城町。訪れた9月上旬、創業150年を超える二つの酒造会社の酒蔵を改造したギャラリーでは、地元出身作家の草木染や絵画作品のほか昔の電蓄や写真機、ガラス製品などコレクション逸品の展示があり、なつかしく鑑賞した。
毎年10月下旬には各町家や商店に伝わるお宝や美術品が展示され、約600メートルのまち並みがまるごと期間限定の美術館になるイベントがあるという。力を合わせて地元の歴史や文化を伝えていこうという人々の意気込みが感じられ、活性化につながるだろうな、とうれしくなった。
旅の夕食は休暇村自慢の「広島ぶちうまバイキング」。広島の方言で「とてもおいしい」を意味する。広島風お好み焼き、カキフライ、アナゴなどの特産料理、オープンキッチンで提供される出来立て、揚げたてのステーキや天ぷらなど約50種のメニューに堪能した。郷土玩具の東城土鈴の絵付け体験で仕上げたオリジナルの土鈴は、家族へのいい土産になった。(滋)
◆メモ JR新大阪駅から高速バスで東城バス停まで約3時間40分。東城から送迎(要予約)。車なら中国自動車道の東城ICへ。▽30日〜11月22日と12月31日〜1月3日は連泊プラン除外日。休暇村TEL08477・2・3110。 |
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