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| 昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で空前のブームに沸いた土佐の高知。今年も3月5日から来年3月31日まで、全県規模で「志国(しこく)高知 龍馬ふるさと博」を展開しており、7月にオープンしたメーン会場のパビリオン「龍馬伝・幕末志士社中」は予想を上回るにぎわい。9月にわが国5番目の「世界ジオパーク(地質遺産)」に認定された同県東海岸の室戸岬にも足を延ばし、人と歴史と自然のロマンをたどった。南国の秋は今、たけなわだ。(鶴田隆志) |
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鯨をイメージしたJR高知駅の南口を出ると、龍馬をはさんで武市半平太(瑞山)と中岡慎太郎が立つ3志士像が立っている。1体400キロの発泡スチロール製で高さ5.3メートル。台座を入れると8メートルを超え、土佐勤王党結成150周年を記念して造られた。
傍らのパビリオンには「龍馬伝」の撮影に使われた生家のセットを再現。門や生け垣、台所のかまど、往時の龍馬の部屋が見られるほか、撮影用の衣装も展示。隣のステージではご当地アイドルの「土佐おもてなし勤王党」「よさこいおもてなし隊」がミュージカルや踊りを披露している。
同県によると昨年1年間に高知を訪れた観光客は前年より120万人増の430万人。土佐藩祖・山内一豊と千代が主人公の06年の大河ドラマ「功名が辻」の時に比べても「龍馬効果」はすごかった。パビリオンの入場目標は15万人だが、すでに5万人を突破し、龍馬の格好で記念写真が撮れるコーナーは衣装が擦り切れるほどの人気。県全体で400万人の誘致をめざす。
追い風になりそうなのが太平洋に突き出た室戸阿南海岸国定公園の室戸岬。約1億年前の白亜紀以降の隆起など地殻変動を伝える地形、地質、海岸段丘など異次元の世界を目のあたりにでき、奇岩、洞窟、痕跡などをめぐる散策が楽しめる。岩場に腰を下ろして水平線や砕け散る波を眺めていると時の経つのを忘れる。圧倒的なスケールだ。 |
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国の天然記念物の亜熱帯性植物や海岸植物の群生、伝統捕鯨、四国八十八カ所巡礼地3寺、海洋深層水の利用施設もある。自然・歴史・文化・生活とのつながりが評価され、ジオパークネットワークに認定されたエリアは岬の先端にある室戸市全域248平方メートル。22のジオサイト(見所)を持つ。
「若き空海(弘法大師)が約1200年前、波の浸食でできた御厨人窟(みくろど)で寝起きし、隣接の神明窟(しんめいくつ)で前方の空と海だけを眺めて瞑想、座禅しました。空海の名はこの修行に由来すると伝えられています」。地元の女性観光コンシェルジュが誇らしげに語る。
安芸郡北川村の「モネの庭 マルモッタン」も見逃せない。印象派の巨匠クロード・モネの自宅の庭を再現しており、モネが愛しながらついに咲かすことができなかった青いスイレンも、ここでは咲き誇る。世界に二つしかないというモネの庭で連作「睡蓮」の創作過程を追体験できるのは、美術ファンにとってたまらない。
同村には村立の中岡慎太郎館があり、安芸市の岩崎弥太郎生家と共に「龍馬伝」で再評価されて以来の熱気が続いている。安芸郡田野町にはライオン宰相の異名をとった第27代総理大臣・浜口雄幸の旧邸もある。
季節感を堪能できるのは、高知市五台山にある県立牧野植物園。土佐の人で日本植物分類学の父、牧野富太郎博士ゆかりの施設で、6ヘクタールの敷地に野生植物など3000種が四季を彩る。博士が収集した植物、蔵書など5万8000点を収めた記念館もあり、総合植物園として国内でも稀有の存在。
こうした観光スポットと並んで誘客に貢献しているのが、同県観光部「おもてなし課」の存在。07年の発足で、「あったか高知で待ちゆうき」をキャッチフレーズに、県民すべてのおもてなし精神向上に取り組んできた。観光客を対象とした地域の美化、公共トイレ、交通マナーなど9項目にわたるアンケート調査では、満足度が年々アップしているという。高知の魅力の秘密は、豊かな観光資源に甘えない「おもてなし」の隠し味だと知った。 |
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