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鹿島 郁夫さん(76) 2006年7月号
エゴ自認して思い貫く  
 
   日本人で初めて大西洋と太平洋のダブル単独横断などを達成したヨットマンの鹿島郁夫さん=阪南市=が、今度は単独無寄港・無補給の世界一周に挑む。途上で77歳の「喜寿」を迎え、最高齢での記録を目指す。

 「この6年間、南極に落とし物をしてきた気分だった。ようやく取り戻しにいける」。1999年から354日間かけた世界一周の際、南極に近いタスマニア島沖で機器類のトラブルのため、やむなく洋上補給を受け、無補給航海を断念している。

 前回と同じ大阪・淡輪ヨットハーバーを起点に、ハワイ諸島〜ホーン岬〜喜望峰〜タスマニア島〜ニューギニア沖経由の全行程約5万4800キロ、300日のコース。愛艇「コラーサ77」(全長12・85メートル、13・92トン)の整備に余念がない。

 「半世紀前、ヨットのとりこになってから人と海の無限の可能性を追い求めてきた」と言い、「最初からできないとあきらめては駄目。年だからできないというのも間違っている。可能と不可能を分けるのは、やるかやらないかだけ。やればできる」とキッパリ。

 大波や台風など洋上では苛酷な闘いが待つ。「自然とではなく、自分との闘いですよ。自然はいつか静まる。困難は必ず乗り越えられる、必ず成功するという自己暗示をかける」。そうすれば2時間程度の睡眠時間でも耐えられ、寝ていても危険予知能力が働くという。

 鹿島さんは「やりたいことは他からどういわれてもやるエゴイスト」といってはばからない。初対面の女性に「鹿島さんはエゴイストですね」といわれたことがある。実は使っていたオーデコロンの名を指摘されたのだが、「内心はギクリでした」と苦笑い。「筋力は落ちたが、経験と周到な準備、判断力、精神力などは前回より上」と自己分析する。

 8月上旬に船出する鹿島さん。喜寿を迎える1カ月後はハワイ沖にいる。最高の祝杯をあげられるよう航海の平安を心から祈りたい。  (つ)
     
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