ニューシニアの必読紙「フロンティアエイジ」
フロンティアエイジ=新時代の開拓者 フロンティアエイジ
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有光 教一(100) 2007年1月号
ご飯だけは自分で炊く  
 
 
   京大名誉教授。財団法人高麗美術館研究所所長で朝鮮考古学の大御所。有光教一さんはそんな経歴を感じさせない気さくな大先生である。その痩躯は、一見弱々しく見える。「お元気でなさそうに見えながら、お元気なんですね」というと「うまいね。それ使わせてもらうよ」。

  初めてお会いしたのは35年前。保存問題でいま話題の高松塚壁画が発見された時だった。朝鮮半島の古墳壁画の話をうかがおうと、受診中の京大診療所前で待ち受けたことを思い出す。

 「動きがにぶくなって」というものの、応対は当時とあまり変らない。目も耳も確か。百歳とは思えぬ記憶力。何度か入院もしたが、致命的な大病はなかったとか。現在、利尿薬の世話にはなっているが、それ以外はどこと言って悪いところはないという。

 3年前に妻・はるゑさんが93歳で亡くなり、ひとり暮らし。ヘルパーさんが週3回来てくれるので、日々の生活に不便はないそうだ。同じ棟の集合住宅の上階に、次男一家も住んでおり、心身とも心配事は少ない。

 なんでも食べるし、いまだ好奇心は旺盛。ヘルパーさんにおかずは作ってもらうが、ご飯はガス釜で自分で炊く。ゴマ油や押し麦を加える炊き方にこだわるからだ。数年前にテレビで知ったのがはじまりとか。とはいえ、テレビはあまり見ない。「いじめ、自殺などのいやなニュースや時間の浪費になる番組が多い」。もっぱら、活字と付き合っている。

 「元気の理由といわれても、とりわけ何をしているわけでもない」そうだが、相変わらず論文を読んだり書いたりで忙しい毎日だ。間もなく『考古学七十五年』が京都・昭和堂から出版される。

 71年春に京大を定年退官、奈良県立橿原考古学研究所長などを経て89年から現職。「人との応対が出来なくなったら、ここも辞退したい」とのことだが「ここの若い人たちが、良くしてくれるのがうれしくて」と目を細めた。(高)
     
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