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| 身なり容貌お金に芸事 |
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警視庁が警察官採用の基準として「一芸」を加えることにした、報じられた。その「一芸」は銃剣道、野球といったスポーツ
や語学などだそうだ。大学入試ではかなり前から音楽、演芸などの一芸に秀でた学生を受け入れている。警察官は聞き込みなど、2人が組んで動くことが多いから、そのうち漫才なら任せてといったコンビが誕生――なんてことは、まあ無いか。
落語「色事根問(ねどい)」は、若い男がどうすれば女性にもてるかというお噺。その条件は、落語のセリフを意訳すると「(1)身なり(2)容貌(3)お金(4)芸事(5)真面目さ(6)可愛らしさ(7)話術(8)体力(9)度胸(10)評判」となり、芸事は堂々4番目。
とはいえ、芸の道を究めるのは難しい。プロとなるとなおさらだ。笑福亭鶴笑(かくしょう)さんは、舞台でいくらしゃべっても若い女性に受けないことから、人形を使って落語をすることを思い立った。十数年も前のことだ。西遊記の三蔵法師や孫悟空の人形を手作りし、膝の間に隠しておいて突然取り出しては演じる。これが大受けした。「あんなの落語じゃない」の非難もあったが鶴笑さんは、このスタイルで環境を考える落語も作り、今ではロンドンを拠点に活動している。
演芸場など生の舞台で大活躍した一輪車乗りのMr・ボールド。音楽にのって絵を描き、おしゃべりをする木川かえるさんは、一芸に徹してその芸を磨き、何十年にもわたってお客さんを楽しませた。ともに故人となったが、鶴笑さんはこの2人から「愚直に続けていけば、きっとものになる」と励まされたという。
さて「色事根問」だが、この主人公も一芸を持っている。真っ赤な手拭いで頬かぶりし、素っ裸になって体中に墨を塗り、火を点けたろうそくをお尻に挟んで飛び回る。「宇治の蛍踊り」と称し、「これができるのは自分だけ」と自負するオンリーワンの芸なのだが、披露に及べば失笑を買うだけ。磨くいとまも無いままお終いになってしまう。 (演芸ライター) |
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