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| 高いとこに土持ち |
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長屋一同に家主(いえぬし)さんから呼び出しがかかる。家賃を払ったことがない連中は「何事ならん」と緊迫するが、聞いてみると、家主の子どもが長屋の子どもと砂遊びしていて、黄金の大黒を掘り当てた。お祝いをするので家に来て欲しいということと分かる。
一同は「長屋の手に入らんと、お宅の手に入るということは、まるで高いとこに土持ちしているよう」とお祝いを述べ、どんちゃん騒ぎに−−古典落語「黄金(きん)の大黒」である。
長屋の連中が「高いとこへ土持ち」と皮肉ったように、お金持ちのところほど、お金やいいことが集まる仕組みは、世の真理といえそうだ。近頃の新聞記事やテレビを見ていて、そう実感することがしばしばある。
例えば、この夏の経済新聞に、富裕層向け投資顧問事業が拡大しているという記事が出ていた。投資の最低額は5千万円で、3社がこの事業に携わっている。預かっている資金は、3社で1千億円を突破したというのだ。リスクはあるが、投資の額が大きいほどリターンが大きいから、金持ちの方が有利である。
米国では、大企業トップの平均年収は約13億円。一般勤労者は約302万円だから、収入格差は400倍以上になる。日本でも貧富の差は拡大中だそうで、ネット市場で1200万円の盆栽や1億3650万円の腕時計、1粒3150円の梅干しが売られ、デパートでは1着4万円超の輸入ジーンズが人気といったことなども、こうした背景があるからだろう。
故桂枝雀さんは「1万円札は寂しがり屋。1枚だけでは立てないので、束になりたがる。家に1枚やってきても、すぐに大勢いる方へ出ていく」と笑わせていたが、誠に至言である。
9月にあった総選挙もそうだ。与党の山にどっと土が盛り上げられてしまった。もっとも、この「土」だけは、雨や風に弱い可能性がある。今後の天候次第では、ドサッと崩れてしまうことも、十分にあり得るだろう。 (演芸ライター) |
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