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| あた、あた、あた、当たったんや |
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日本で最初の宝くじが発売されてから、今年はちょうど60周年という。年末ジャンボも売り出されて、大晦日の抽選に夢を賭けておられる方も、多いことだろう。
古典落語「高津の富(こうづのとみ)」は、千両くじを引き当てる縁起のいいお噺だ。からっけつのオヤジがある宿屋に泊まる。「金持ちじゃ」と自称し、いろいろと大きなことを言ったため、トラの子の一分銀で、宿の亭主から高津神社の富札を買う羽目に。そして「当たれば当選金の半分をやる」と亭主に約束する。
翌日、神社で抽選を見ていたら1等千両の大当たり。「あた、あた、あた、当たったんや」と、舌ももつれて宿屋に戻る。ひと足遅れて宿の亭主も神社に着いて、ご同様に「あた、あた、あた…」。
宝くじ協会のホームページによると、日本の富くじは江戸時代初期、摂津箕面の瀧安寺で、名前を書いた木札を僧がキリで突き当て、当選の3人にお守りを授けたことから始まったそうだ。これが金銭付きとなって大隆盛となるが、江戸後期「天保の改革」によって禁止されてしまった。
今では全国自治宝くじ、近畿宝くじといった名前で月に3、4回は発売され、当選金は最高3億円。最高額は別として、1千万や2千万円の当選者は、発行回数から考えれば少しは身近にいてもよさそうだが「私、当たりました」という人に出会ったことがない。ほとんどが「当たったらアレするコレする夢ばかり」(『宝ニュース10月号・宝くじ川柳』)らしい。
私も一度は「あた、あた…」と言ってみたいが、まだ「あ」にさえ縁がない。ここでまたも桂枝雀さんだが、彼は「高津の富」で、こう言っている。
「私も当てようかなと、この間から夢みております。寝る時も『当たればいいなあ』と思っておりますと、何とのう胸が膨らみます。うれしいもんですよ。でも3日ほど前、不吉なことを耳にしたのです。当選者というのは、何でも、あの券を買った人の中から、出るんやそうですね」 (演芸ライター) |
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