ニューシニアの情報新聞「フロンティアエイジ」
フロンティアエイジ=新時代の開拓者 フロンティアエイジ
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土風激しゅして・・・
  上田 文世
 
   「イントラリポスを入れて下さい。緑のクリップと、クレンメをあけて、行進曲のテンポで・・・」

 我が家では母親を在宅介護している。これは看護師さんからの“指示書”だ。それに従って家族が、ベッドに吊した栄養剤「イントラリポス」のルートから「クリップ」を外し、調節弁の「クレンメ」を開けて、母親の肩の点滴ポートに液を送り込む。

 「クレンメ」などの医療用語は別として、街の通りに出ると「アドプト・ロード」と書いた看板に出あう。「ロード」は「ドーロ」、道路のことのようだが、一体「アドプト」とは何? 

 少し前の新聞に63歳・男性の投稿が載っていた。「TOB、EEZ、ファンダメンタルズ、ロハス…。分からない横文字が、新聞やテレビにはんらんし、困っている」。

 これではいかんという訳だけではなかろうが「インフラ」は「社会基盤」にしようなどと、国の機関がカタカナ語の言い換え案を例示し、普及を図っている。でも、それほどは使われていないようだ。

 「延陽伯」という上方落語がある。長屋のやもめに、大家さんが縁談を薦める。お相手は「色白で目元の涼しい別嬪(べっぴん)さん」。だが、一つだけ疵(きず)がある。言葉が丁寧すぎて分からないのだ。「六(むつ)の甲(かぶと)の頂より土風(どふう)激しゅうして、小砂(しょうしゃ)眼入(がんにゅう)す」などと、のたまう。六甲山からの風で砂が眼に入って困ったんだなと分かるまでに、かなりの時間がかかるのだ。やもめは「別嬪さん」にひかれて一緒になるが、言葉を巡ってまた一騒動が起きる。

 今、もし、キャリアガールから「私はファイナンシャルプランナー。グローバリゼーションの観点から言うと、アグリビジネスもいいわよ。インキュベーションも買いよね。あなたのアセットマネジメント、私に任せない」と誘われたら、あなたはどうします?

 「土風…」の方が、よっぽど分かりやすいか! (演芸ライター)
     
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