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| 後でこたえてかなわん |
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上田 文世 |
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今年の夏、市役所の納税窓口に行くと「何で私の住民税が倍以上になったんや」と職員にかみついている人を見た。その頃の新聞投稿欄には「住民税が4倍になった」どころか、「1年で実に14倍になった」と怒り、嘆く年金生活者の声が載っていた。
負担増騒ぎで昔、ラジオで聞いた東五九童(あずま・ごくどう)・松葉蝶子の漫才を思い出した。体のどこかを蝶子に叩かれた五九童が、すぐには反応しない。少し間を置いて・・・
「痛いなぁ〜、もう」
「何を言うてんの、今時分に。もっとはよーに叩いてますがな」
「あんたの叩くのは後でこたえてかなわん」
これが決めゼリフの一つで、漫才の中で毎回のように出てきた。
騒ぎの元になった負担増は、税制改正や老年者控除の廃止などがあったからで、既に今年初めに決まっていた。自分の身に及んで来て、初めて大きな声になってきたわけだ。負担増はなお続く。10月からは高齢者の医療費や、長期入院患者の食住費も増えた。今年度の医療費負担増は全家庭で約700億円という。その一方で企業には、大幅な減税が計画されている。
「痛い」と感じた時に「痛い」と言わないとどうなるのか。言わないどころか、政府のタウンミーティングでは、政府から請われるままに発言していた。これでは自滅である。アメリカの中間選挙では、現政権の行動に牽制をかける投票結果が出たが、日本でもそんな政治家や政府はご免との厳しい一票が望まれる。
政治家の間から「核保有論議」の発言がたびたび飛び出してくる今、「痛い」という感度を高めないと、日本がいつのまにか「戦争を出来る国」に戻ってしまうのではと心配だ。
12月8日は太平洋戦争開戦の日。朝日新聞の「折々のうた」に、沖縄戦最後の激戦地、摩文仁(まぶに)を詠んだこんな短歌が紹介されていた。「慰霊碑は戦後に建ちて立ち続けやがて戦前になるか摩文仁よ」 (演芸ライター) |
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