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| お日ぃさんが、カァーッ! |
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上田 文世 |
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真夏の炎天下、野良仕事中のお百姓さんが突然ぶっ倒れる。今でいう日射病だ。息子が山越え3里半の道を走り、医者を連れて戻る道中、ウワバミが現れて2人ともその腹中へ。さあ、どうやって脱出−−上方落語『夏の医者』というお噺だ。
桂枝雀さんはこれを語る時、自分のあの頭を太陽に見立て、頭の上で手のひらをヒラヒラさせながら「お日ぃさんが、カァーッ!」。この一言でその酷熱ぶりが、爆笑と共に一瞬でお客さんに伝わった。
日本で一番夏の暑さが厳しい都市の一つ大阪は、夏真っ盛りだ。地球の温暖化が始まっているとかで、コンクリートで固めた都市の気温は、もう何年も前から高くなるばかり。世界的にも同傾向で、パキスタンでは50度を超したという報道もあった。気温上昇は温暖化ガスの排出量が増えたからで、それを抑えるために夏は冷房の設定温度を上げようと、軽装の「クールビズ」が奨励されている。
私事で恐縮ですが、私は省エネとは関係なく首を締め付けるのが嫌いで、40年以上も前の真夏にあった新聞社の面接試験には半袖ワイシャツで挑んだ。25年勤続表彰の際もノーネクタイで済ませた。20年ほど前、ラフな格好である企業の社長に会ったら、後でワイシャツ生地が送られてきた。3年目に入ったクールビズは、お堅い職場の金融機関にまで広まってきたが、あの時の社長は、きっと不快な思いを抱きながら質問に答えていたのだろう。
ドイツであったサミットでは、地球の温暖化防止に各国が一致して当たることが確認された。このままでは「お日ぃさんが、カァーッ!」の日がますます増えるというのだ。軽装もネクタイを締めるのも、自分の好みで決めたいものだが、さらに暑くなるのは、やはりご容赦願いたい。省エネに協力しようと、この文章は冷房なしの部屋で書いた。
ところで、冒頭の2人はどうなったか。お医者さんだけに、持参の下剤を腹中にまき、無事に出てきました。 (演芸ライター) |
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