ニューシニアの情報新聞「フロンティアエイジ」
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そんなアホな! 2008年1月号
  上田 文世
 
   「天満天神繁昌亭」誕生に併せて創刊された上方落語協会誌のタイトルは「んなあほな」だ。会員から募った61の候補名から、笑福亭仁勇(にゆう)さんのが選ばれた。「んなあほな」は「そんなアホな!」で、主に漫才さんが舞台を下りる時に使うセリフ。落語でもよく出てくる。

 上方落語「親子酒」はその名の通り、飲んべえ親子が主人公。息子の方が酩酊しての帰途、屋台のうどん屋に寄っていろいろとからかう。桂雀三郎さんの口演では、こんなシーンがある。
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 割り箸を手に息子「パチンと割れた。1本が二つになった。よう、できた〜るなあ。うどん屋、これ、お前が発明したん?」。うどん屋「そんなん、むかーしからありまんねや」。息子「愛想ないうどん屋や。わいが「発明したん?」って聞いたらお前さんは「そうやねん。お陰さんでこの頃、儲かって儲かって」。そこでわいが「そんなアホな!」って、ここまでやるのが、大阪の人間の礼儀なんや」。

 昭和30年代の漫才CDを聞くと、確かにこのフレーズはよく出てくる。でもこの頃は使われていないようだ。昨年終盤にテレビ放映された漫才特集でチェックしてみた。

 若手・ベテラン計24組が出演した。「もうええわ」が12組で主に若手。ついで「やめさせてもらうわ」が4組、「ええかげんにせえ」が3組で、「そんなアホな!」はゼロ。他は「ありがとう」などだった。東京の落語家、桂歌丸さんが新聞に「漫才の最後のセリフは必ず「もうええわ」だ」と書いていたのを読んだことがあり、東京でも同じ傾向らしい。

 漫才台本を多く書いている織田正吉さんは「どのフレーズも、これで終わりの捨てゼリフ。その言葉にも、はやりすたりがあるんですなあ。ちゃんとしたサゲが出来ている漫才では、今も昔も必要のないセリフでもあるんです」。私の説は「世の中の方がアホなことが多く、それで使えなくなった」。

 皆さん一斉にどうぞ。

 「そんなアホな!」
     
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