フロンティアエイジ=新時代の開拓者 フロンティアエイジ
いい湯だな「近畿の温泉めぐり」INDEX  
   
 
龍神温泉(和歌山県) 龍神温泉への地図
 
 
秘湯は緑の曼荼羅の中 単車の若者も 常連の老人も
 
   新緑と温泉をたっぷり楽しもうと遠出した。天王寺からJRで南下、紀伊田辺―龍神温泉―高野山の95キロはバス、帰りは南海電車で難波に出るコース。秘湯にひたり、紀伊半島最高峰、護摩壇山(1372メートル)を越えるざっと320
キロの旅である。

 ゴールデンウイーク明けのせいかバスの乗客は私たち3人だけ。照葉樹林の山々を上り下りしながら秋津川、さらに日高川の源流へと向かう。難所の虎ヶ峰(789・5メートル)に達した時、眼下の光景に思わず息を呑んだ。
 ブナの仲間のシイが花盛りで、あちらこちらに白金の樹塊が波立ち、うねる。濃緑、若緑、萌黄の林と混ざり合って大自然の曼荼羅模様を描く。

  里もまた桜。藤、桐、シャクナゲの花ざかり。紀州藩主が泊まった「上御殿」、藩士用「下御殿」の名を残す旅館のそば、「源泉100%」の張り紙がある元湯へ飛び込んだ。バイクで来た若者グループ、親子連れや老年客たちでかなりのにぎわい。聞けば10年、20年の常連が少なくない。

 「日本3美人の湯」だけに肌がつやつやする。湯上がりに元湯前の斜面を登ると「曼荼羅の滝」がしぶきを上げていた。小説「大菩薩峠」で机竜之介が目を洗ったのに習って顔を洗い、ついでに呑んだ清水は甘美だった。

  宿の「季楽里龍神」は旧龍神村開発公社が運営し、昨年春に改装したばかり。90人ほどの客は「ほとんどリピーターの方」とフロント係。日高川のせせらぎの音と星空。そして、なまめかしいほどの湯が人々を魅惑して止まないだろう。猪、鹿、川魚に山菜。50種のバイキングは豊かだった。

  翌日はブナ林を縫って護摩壇山へ。360度山並みの眺望を楽しみ、下って高野山に着いた時、全身は緑色に染まっていた。 (

メモ 泉質=ナトリウム炭酸水素塩泉▽効用=慢性皮膚病、神経痛、関節痛、切り傷など▽入湯料=大人600円、子ども300円▽あし=JR紀伊田辺駅からバスで80分、南海高野山駅から60分(4月〜111月運行)▽龍神温泉元湯(TEL0739・79・0726)
   龍神温泉「季楽里龍神」  
     
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