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| 白浜・崎の湯(和歌山県) |
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太平洋を眺め、潮騒を楽しみながら浸る岩の露天風呂。手足を伸ばせば湯煙の中から有間皇子の万葉悲歌が−−そんな野趣とロマン、悠久の時間と歴史を秘めた日本3古湯のひとつ白浜温泉・崎の湯に足を向けた。
強い西風に向かって階段に立つと、数10b先に波が白い牙をむいている。体感温度は10度前後。肌寒さにせかされてごつごつした湯船へ。お湯はサラっとして透き通っている。飲むと少し塩辛い。潮の香も漂い、五感で自然を味う。
数分温まってから湯つぼの方に進むと肌がピリピリする熱さだが、吹き抜ける風で「頭寒体熱」になるせいか、けっこう長湯できる。筋肉痛や打ち身、冷え性などに効くというのもうなずける。
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| 野趣を求めて多くの人が訪れる |
お湯の効能とは無関係に見える元気な若者グループがやってきた。東京からという。「海が見え波と風の音が聞こえて自然のゆりかごに揺られているよう」「本当にリラックスできますね」
じっと目を閉じている60歳代の男性。声をかけるのがためらわれた。その風情から有間皇子の作という万葉集の「家にあらば笥(け)に盛る飯(いい)を草枕旅にしあれば椎(しい)の葉に盛る」を思い浮かべているのでは、と勝手に想像した。
文献によると崎の湯は往時、「牟婁温湯(むろのゆ)」「紀温湯(きのゆ)」と呼ばれた。ここを斉明天皇や中大兄皇子らが訪れていた際、都で時の権力に謀反を企てたとされる有間皇子の乱が起き、皇子は崎の湯まで連行されたうえ、一連の後始末が行われたという。古代の動乱期のひとこまを彩る舞台だったのだ。
ほてり気味の体をクールダウンしてくれる潮風の心地よさ、いっとき自然と歴史に触れた高揚感は格別だった。 (鶴)
◆メモ ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉▽神経痛、関節痛、更年期障害、婦人病など▽町営で300円(3歳以上)。タオル持参か200円で購入。石鹸・シャンプー不可▽8時〜17時(7、8月は7時〜19時)。水曜定休▽JRきのくに線「白浜」駅から明光バス「三段壁」行きで20分弱の湯崎下車、380円。1時間3〜4便。バス停から徒歩5分。阪和自動車道みなべインターから30分、駐車場あり▽TEL0739・42・3016 |
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白浜・崎の湯 |
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