ニューシニアの情報新聞「フロンティアエイジ」
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  旅−マイウェイ  
 
バルト海 2005年9月号
 
 
豪華客船で白夜を進み 世界遺産の古都を巡る
 
   2日後に夏至を控えたバルト海は穏やかだった。フィンランドのヘルシンキとスウェーデンのストックホルムを結ぶ航路は双方から1日1便、16時間の夜行便。ヘルシンキを午後5時過ぎに出港した豪華客船セレナーデ号は5万8400トン。全長203メートルの13階建てホテルが海を移動するようなものだ。今回の旅の訪問地は、この両都市とエストニアの首都タリン。いずれもバルト海に面し、世界遺産を有する古い街である。
セレナーデ号
セレナーデ号のデッキは日光浴を楽しむ人でいっぱい。午後7時でもこの明るさ

 出港してすぐ、18世紀初頭にロシアの侵攻に備えて築かれ、世界遺産になっている要塞島スオメンリンナのそばを通る。ちょうど100年前、やがて日本海の海戦で壊滅することになるロシアのバルチック艦隊が、サンクト・ペテルスブルグを出てこの穏やかな海を進む光景を思い浮かべた。

 北欧はちょうど白夜の季節。日没は午後11時ごろで、午前4時には日の出となる。夜行便とは名ばかりで、12階の船上デッキは日光浴を楽しむ人々でいっぱいだ。待ち焦がれた季節の到来なのだろう。ヘルシンキや前日に訪れたタリンの街でも、公園などで太陽の恵みを貪欲に求める姿が目についた。ライラックが咲き乱れ、日本でいえば5月ごろの気温だが、まさに夏到来の気分なのだろう。
タリン旧市街
13世紀の尖塔や城壁が残り世界遺産に登録されているタリン旧市街

 船内には7階に高さ18メートルの吹き抜けのショッピングとレストランのアーケードがあり、免税店では酒やたばこに人気がある。北欧の国々は消費税率が高く、ここは格好の買物場。そういえばタリンからヘルシンキに戻る船でも、税率の低いエストニアで買ったビールのケースを何箱も抱えた人を見かけた。

 夕食は北欧の伝統的なビュッフェ料理スモーガスボード。いわゆるバイキング形式で、食べ放題の飲み放題。最近は日本人観光客も増えたそうだが、すでに学校が夏休みに入ったためか、地元の人たちで満員(乗客約3000人)だった。

 カジノやディスコ、カラオケ、サウナもある。明るい夜をそれらで過ごすのもいいが、船旅は静かに楽しみたい。船は時速にすれば30キロくらいのスピード。デッキに出れば少し冷たいほどの風が心地いい。水平線に沈む夕日や船の後方に登る日の出の雄大さも目に焼きつけたいと思ったが、目覚めた時には太陽はもう東の空で丸くなっていた。

 ストックホルムに近づくにつれ、船は2万を超えるという大小の島々の間を縫うように進む。デッキの椅子にすわり、朝日を反射してきらきら輝く航跡を眺めていると、時が経つのを忘れてしまうほどだった。

 午前9時半、ストックホルムに入港。北欧のベニスと称されるこの街は14の島を橋で結ぶ美しい森と水の都である。13世紀の雰囲気を遺す旧市街ガムラ・スタン、国王一家が住む世界遺産のドロットニングホルム宮殿などの観光を楽しんだ。 (木下 二二男
     
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