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大阪と温泉地を結ぶバス「温泉ライナー」をご存じだろうか。「芦原・加賀温泉行」「湯郷・湯原温泉行」「城崎温泉行」「湯村温泉行」の4コースがあっていずれも片道1900円(土曜発と現地日曜発500円増、3月末まで)。この安さは魅力だ。
北陸・山中温泉へ行きたくて梅田の大阪中央病院西側の集合場所から9時発の「芦原・加賀温泉行」に乗り込んだ。中型のバスだが座席はゆったり。途中、京都・竹田駅でも客を乗せて名神から北陸道へ入り、芦原で何人かを降ろして、終点のJR加賀温泉駅へ。3度の休憩を含めて5時間の旅は意外に楽だった。
加賀温泉駅前から旅館の送迎バスで20分。着いたところは、山中温泉の奥座敷「花つばき」。神仙峡の畔にある自家源泉の宿で、さっそくひと風呂浴びる。大浴場から男女に分かれた露天風呂、さらに自慢の野天風呂「湯畑」へ。この「3湯めぐり」は有名で、粉雪が舞う冬でさえ、なめらかな湯が体の芯までやさしく包んでくれる。
湯畑への石段を下りて行くと、杉の木立の中に棚田のように連なって15の湯船が並んでいる。ここは混浴なので男女とも湯衣をまとったうえで湯遊びを楽しむ。雪化粧した山々と、眼下の清流を眺め、せせらぎの優しい響きに耳を傾けながら、ここでしか味わえない贅沢に心まで癒された。
泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で、湯は無色。敷地から湧き出る源泉は毎分526リットル。神経痛や筋肉痛などに効用があるとされる。
夜は、冬の味覚の王者「かに会席」。先付けのかに豆腐から、吸い物、茶碗むし、焼き物、天ぷら、酢のもの、そしてすき鍋まで「ズワイガニ」三昧。甘みのある長い足、たっぷり身のつまった肩、甲羅の中で煮るみそ。どれも絶品のうまさ。大広間でみんなと一緒に一杯やると、さらに盛り上がるだろうが、一人静かに味わうのもいい。
翌朝は、宿の近くから出るバス「お散歩号」に乗って湯の町散策。法被を着た旅館の女将さんや町の人たちが案内してくれる。樹齢約2300年という「栢野大杉」からスタートし、四季を通して湯治客を魅了する名勝地「こおろぎ橋」などを巡り、湯元の「山中座」では、石川県の代表的民謡「忘れしゃんすな、山中道を」の山中節など、湯の里で生まれた名曲や芸能を鑑賞できる。生産額日本一の山中漆器の粋を集めたロビーも一見の価値あり。
お散歩号は温泉街を40分で一周し1日10便。宿の客は500円(一般800円)で、ゆっくり見たいところや散歩したいところがあれば下車し、次のバスに乗り継げばいい。バスルートから少し離れるが、約1300年前に温泉を発見した奈良時代の高僧・行基が開いたという医王寺など、町の歴史の深さを学べる場も多かった。帰りの温泉ライナーは15時発。心地よく揺られながら20時ごろ大阪に着いた。(英)
◆メモ 花つばきは1泊2食で1人1万5900円から。宿とバスの予約センター(TEL06・6232・0901)へ「フロンティアエイジで見た」と告げて予約すれば粗品プレゼント。「温泉ライナー」バス(潟nーヴェスト運行)の予約もできる。JR特急サンダーバード利用なら大阪―加賀温泉2時間10分で自由席片道6200円。 |
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