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中国山地の最高峰大山(1729メートル)の山麓は大自然が「水のアート」を織りなす絶好のステージ。烏ケ山(1448メートル)など千メートル超の3山に囲まれた鏡ケ成の平原の休暇村奥大山(鳥取県江府町TEL0859・75・2300)は、中国・米子自動車道江府ICから18キロ、冬季は休暇村の除雪車が開いた高さ2〜4メートルの雪壁の道を7キロも走る標高920メートルの天空の世界である。
元は軍用馬の牧場だったという105ヘクタールが休暇村のエリア。ガラス張りのロビーからはその広がりと空だけが目に入る。薄いベールを引いたような視界が突然暗転して激しい雨粒。途中から白い氷粒、雪片に変化し、宙に一点の光が差した途端、カーテンを引くように墨は消え去る。ほんの数刻のドラマ。「ここで雲が行き交います。朝だったら芝生広場に小さな雲の赤ちゃんが遊んでいることもありますよ」と石橋正浩支配人がいう。
日本海側からの水と冷気が大山南麓に5月まで残る豪雪をもたらす。崩落で入山禁止の烏ケ山など、一帯の厳しい環境は久しく人を寄せつけず、広葉樹の原生林や西日本最大級のブナ林を残した。「?=無用の木」の字を充てられたブナは「天然のダム」として雪解け水をたくわえ、地中深くの火成岩層がゆっくりミネラル分を加えて天然水を育んできた。「天の真名井(高天原の神聖な井戸)」など、名水湧出個所は大山周囲で14カ所を数える。
「江(河川)が集まる府(都)」から名がついた江府町はその水の恩恵に浴し、ブナ林から湧く「奥大山のおいしい水」を第三セクター企業が全国に送り出す。休暇村のふもと標高709メートルにあるサントリーの「天然水奥大山ブナの森工場」は地下からの水を外気に触れさせずにボトル詰めし、水源域の森185ヘクタールの保全涵養にも力を入れる。東京の製氷メーカーや日本コカ・コーラの工場も隣麓にある。
水質は一般水道水の硬度50〜60に比べ、三セク企業が12、サントリー20。地下250メートルからくみあげる休暇村も15〜20。なめらかでおいしい超軟水だ。休暇村では大浴場から調理場、客室のトイレ用までこの天然水を使う。
全国の生協やデパートから注文が届く「井上とうふ」2代目の井上博志さん(50)は、日野川沿いの地下150メートルの伏流水をくみ置き、微粒子を沈殿させたうわ水で製造する。材料の大豆も山麓で指定栽培した高たんぱく・糖質の専用品種を使う。井上さんの作った豆腐の昆布じめ、湯葉の刺し身、豆乳・おからを下汁にした大山豚と豆腐の鍋、大豆の味を濃縮したざる豆腐の旨み・・・。休暇村が昨年秋から登場させた「豆腐会席」は「絶品」と評判を呼ぶ。(む)
◆ブナの巨木に出あうスノーシュー体験ツアー 積雪が固まる3月でないと近寄れないブナ原生林をスノーシュー(洋式かんじき)とストックで訪れ、山麓最大の巨木(幹回り5.7メートル)に出あう日帰りバスツアーを、(財)休暇村協会休暇村大阪センターが3日と8日の2回、大阪駅前発着で実施する。昼食は評判の「豆腐会席」、約3時間の雪歩き後は天然水風呂に入浴して帰途に。参加費1万2600円。定員各40人で、宿泊希望にも応じる。詳しくはTEL06・6343・2290。 |
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