ニューシニアの情報新聞「フロンティアエイジ」
フロンティアエイジ=新時代の開拓者
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  旅−歴史を歩けば  
 
新潟〜山形 2005年10月号
 
 
ナビを駆使し遺跡巡り 漆彩土器に対面し 火焔土器に圧倒され
 
   新潟から山形へ遺跡探訪の旅に出た。2泊3日で目的地は10カ所。温泉でくつろぐという欲張りな計画のうえ、予定外の蔵王連峰の刈田岳(1758メートル)にも立てたのは、カーナビを活用した結果だった。

 シニア層に人気の古代遺跡探訪も、個人でとなると大変。有名な遺跡地であっても、国土地理院の詳細な地形図にさえ記載されていないことが多い。最善策は地元の人に尋ねることだが、それもよほど近くでないと「そんなものありましたか」といわれることになる。
縄文むら公園
長者屋敷遺跡縄文むら公園の土偶群像

 今回は「バースデー割引」という日本航空の格安運賃を利用。同伴者も同じ料金だというので妻を誘った。新潟空港でレンタカーを借り、まずは長岡市の馬高遺跡へ。燃えさかる炎をイメージさせる、火焔土器の出土地だ。遺跡地近くに県立博物館のあることを、出発前にインターネットで検索してあった。カーナビの目的地に県立博物館を設定し「左」「右」と指示通りに走っている間に難なく到着した。

 博物館では県下で出土した多数の火焔土器に圧倒された。遺跡地は博物館から1`足らず。国の重文に指定された火焔土器をモデルにしたジャンボな土器型造形が、コスモス畑の向こうに見えた。続いて良寛の生誕地や美術館を訪ね、その夜は「日本海の夕日」をアピールする村上市の瀬波温泉の宿へ。

 登場当初のカーナビはあまり当てにならず、地理に詳しい人の方位勘には及ばなかったが、最近の製品は精度が増していると聞いていた。その威力を実感したのは、翌日の山形県南部の旅だった。高畠町安久津の遺跡博物館「県立うきたむ風土記の丘」をめざす。押出遺跡から出土した漆で彩色した土器を収蔵している。高畠町中心部の大字高畠は目的地に設定できるが、安久津がカーナビのデータにない。そこで持参した地図を見ながら、高畠の東方にねらいを定めた。勘は見事に当たり、風土記の丘は国道わきにあった。
火焔土器
重要文化財の火焔土器

 南陽市長岡の稲荷森古墳は国史跡だけに、集落に入ると大きな標識が出ていた。長井市の土偶群像で知られる長者屋敷遺跡や米沢市の上杉城跡なども訪れたが、道を問う必要はなかった。もちろん、なかなか探し当てられず、うろうろしたケースもあったが、地図を頼りにするよりははるかに効率的。予定の時間より早く、山形市内の温泉で汗を流すことができた。

 帰りの便は19時発。新潟空港までは、山形市内から4時間弱。途中での見学予定地を巡ってもゆとりがある。妻が蔵王の名所、刈田岳山頂の「お釜」を見たいといい、フロントで聞くと片道40分ほど。山頂直下まで車で行けるというので、蔵王連峰を越え、宮城県に向かうエコーラインに入る。まさに快適なドライブで、絶景を目にした。

 約束の時間より2時間も早く、レンタカーを返すことができた。カーナビへの不信感が一掃された旅でもあった。 (高橋 徹 元朝日新聞編集委員)
     
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