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2007年 |
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| 韓国西部編(下) |
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日本人の食生活にもなじんだ韓国風混ぜご飯のビビンバ。その発祥の地である全州市は、扶余から南約50キロにあり人口は60万。韓国南西部最大の都市だが、観光客がなかなか足を延ばしてくれないのが悩みのタネとか。
ビビンバの昼食会に招待してくれた全州市長の宋河珍さん(53)は「この地の良さを知ってもらえれば、日本の観光客もきっと増えるはず」と期待を語った。
「ふるさとを何とかしたい」と、ソウルから帰り、政治家になった気鋭の市長さんはとても気さく。今、全市あげての「体験観光」に取り組んでおり、ぜひ楽しんでほしいと誘われた。
全州市は10世紀の後百済の首都、つまり後百済古京である。しかし、わずか30数年で滅びた国なので旧跡は少ない。朝鮮王朝(李氏朝鮮)時代の歴史遺産にしても、太宗・李成桂の真影を安置する慶基殿、豊南門など限られている。そこで考え出されたのが、開発が遅れたがゆえに残った「伝統的韓国文化」の見直しだった。
800棟の伝統家屋が残る「全州韓屋マウル(村)」を核にし、伝統生活の体験、韓国茶道、ビビンバ調理、韓紙すき、または名物のマッコリを飲むという体験型観光である。「全州に来ると韓国が見えます」というのがキャッチフレーズだ。
韓屋マウルは、日本でいえば橿原市今井町や長野県南木曽町妻籠などのような重要伝統的建築群の保存地区。1930年代の姿に戻すことを目標に修復が行われていた。棟が左右にそり上がった瓦屋根の木造家屋。それを囲む築地塀に似た塀の続く狭い路地を歩くと、なんだか日本の城下町にいる気がした。
和紙と同様にミツマタを原料にした韓紙すきを体験した後、「韓定食」を味わった。食の全州にふさわしく、「八美」「十美」などと呼ばれる様々な食材を用いた20種類ほどの料理が並ぶ。どれもおいしいのだが、とても食べきれなかった。
その夜、韓屋マウルにある宿に戻ると、経営者の朴允姫さんが(32)が中庭に置いた演台で伽耶琴(カヤグム)の弾き語りを聴かせてくれた。三国時代の加耶地方で生まれ、日本の琴に大きな影響を与えた楽器の一つといわれる。哀調のこもった音色と伸びのある声に聞きほれた。伝統音楽を聴かせることを売りにした宿だと知った。
翌日、郷校という昔の学校跡で、静岡から来たという女性の3人連れに出あった。「食べ物はおいしいし、人情もとても豊か。本当にすてきなところですね」と満足気だった。 (高橋 徹) |
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